日常妄想
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2002年02月03日(日) |
『チェコはバロック的な国??』のこと。 |
+この日は、朝から冷たい雨。友人と、パルテノン多摩まで、『チェコアニメ特集』という催し物を観に行きました。んー。話が逸れるが、わたしは、友人だの友達という単語を使うとき、とてもドキドキしてしまうのね…不安で。友達とわたしが言ってもいいのだろうか、みたいな。自身の、自信の無さや、人間不信の現れ。寂しいねぇι
催し物自体は、1月の27日からやっていたのだったが、わたしたちの行った3日は、ヤン・シュヴァンクマイエルの映像作品と、本場チェコをはじめ、ヨーロッパでご活躍なさっているという、人形劇作家の沢則行氏の人形劇を観ることのできる日で、シュヴァンクマイエルの名をバロックがらみで知っていたわたしと、チェコの人形劇が観たかったという友人、お互いの興味を充たせる日だったので、この日しか無い! という感じで行ってきたのでした。
アニメ、といっても、セルで描写される、いわゆる『アニメ』じゃなくて、人形が主、ときに実写の映像作品。チェコでは、人形劇用の劇場が大小取り混ぜて沢山あり、大人も親しんで観に行くのだという。作風は、ブラックユーモアであったり、シュールであったりするので、子供向けというよりは、いっそ大人向けであると言われたほうが、納得できたり。
流血沙汰がコミカルに展開されたりとか( ̄▽ ̄) そのコミカルさに、わたしはちょっと、マサラムービーを思ってしまった。全然ちゃうやん!!(笑) ダーク版にしたらこんな感じ、的な。違うんだけど(笑) 人形や小物、背景といった、映像そのものは、色彩豊かなくらいなのだが、雰囲気が薄暗いというのかな… 狂気を感じる。それこそ、歪んだ妄想というか。 以前、どこだったかは忘れたが、バロックのサイトさんで、チェコの作品はバロック的だと聞いたことがあったのだが、実際に観て、納得。
シュヴァンクマイエルの映画は、長編の『アリス』(不思議の国のアリスのアレンジ版)、短編作品を数本観ました。短編のほうが面白かった。飽きない、というか… アリスは、一生懸命に観ているのに、途中、寝そうになったりして(笑) 3日は、朝までかかって、サークル用のCGを打ち出していたので、寝不足だったのねんι しかも、映画は、特にBGMもなく、淡々と進むので、新手の拷問のようでした(笑)
短編の、『棺の家』というのが面白かった。ふたりの男が、モルモットを巡って争う(モルモット…)、という話。争う、っていうか、殴り合ったりしてスゴイです。100tとか書いてありそーなハンマーで相手叩いたりとか。流血沙汰なのに、効果音がギャグなの。『コケッ』『ぽかッ』…もー、あれです。 漫画と魔法はなんでもアリ!という、SUEZENさんの作品の台詞を、思い出した(笑) どんな酷いシーンも、ギャグで片付けることで、「あー、酷い目にあった」で済んでしまうというやつ。(懐かしいなー。)
チェコの作品は、たぶん、生理的に嫌悪感を覚えて受け付けない、というひとが、結構いるんじゃなかろうかと思う。全部が全部そうなわけじゃないんだろうけど、とにかく、独特な世界なのである。音楽や絵をはじめとする、こうした表現の分野には、その国の風俗や、国民性も少なからず反映されると思うのだけど、チェコって、どんな歴史があったんだろうとか、気になってしまった。旅行で行くと、いい国みたいだけど…
沢氏の人形劇『KOUSKY(コウスキィ)』は、とてもよかった。沢氏の人間性なのでしょう、このあとに観たシュヴァンクマイエルの映画に比べると、格段に、病的な歪みが薄かった。それとも、日本人向けに、親しみ易いものを選んで上演していたのかな。どうなんだろう。
短編の劇の複数立て、というメニューで、ほのぼのするものから、ブラックユーモアが効いてるものまであって、それぞれが面白い。ただ人形を繰っているというのではなく、操る自分も一体になって演技をしたり、人形も、ただの人形じゃなく、必ず『しかけ』が用意されていて、そこにも見どころがある。これは沢氏独自の作風なのかなぁ。沢氏のキャラクタアもよかったりして、すごく価値のあるものでした。沢氏の、ほかの作品も観たくなった。 照明のなか、黒の上下で、体いっぱいに表現をする沢氏の姿を見て、ヒラサワのインタラクティブ・ライブを思い出したわたしであった( ̄▽ ̄)
お天気が、帰るころ、夜になるまで悪かったので、公園のようになっているパルテノン多摩の敷地内をじっくり散策できなかったのが残念だけれども(ナイトヘッドやマエストロのロケ地になったことがあるので、以前から興味があったのだ)、有意義な1日となりました。
(0217 01:23 UP)
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