空を見上げて
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私が一番最初に「私は本が好きなんだなぁ〜」と 実感したのは、確か小学校5年生の時だったと思う。
ホコリっぽく、狭い小学校の図書館でとてもキレイな装丁の本に出逢った。 分厚い本で、読めるのか心配だったけど借りて帰った。 返却期間がどれくらいだったのか覚えていないけれど、 私は読みきれなかった。
私の性格だと、読みきれなかったら“あきらめる”と その時、自分で思っていた事も覚えている。
凄く面白ければ、期間内に読めたと思うし、 たぶん、程ほどに面白いけれど、遊びもTVも大事という 飛びぬけた位置にはいなかった本だった。 それでも、もう一度、借りなおして最後まで読みたいと思った。 そんな事は、私の人生で初めてのことだった。
私は、何かに執着する性格ではなかったからだ。 すべては、その場、その場だけで生きていた。 それは、その時の家庭の問題と切っても切れない関係なのだけど、 それは、またの機会に。
そんな私は、初めて執着した本の名前は 「椿姫」
あの本を、どう児童書にまとめてあったのか、 その当時、すでにかなり古い本だったので、 今では確かめようも無いが、装丁は線の細いメルヘンチックなものだった。 はかなげな波のような長い髪に悲しげな表情で、 それでいて、いとしいような、そんな印象の装丁だった。
私は、中学に上がるまでに、その本をきっかけに、 かなりの量の本を読んだ。
そして、中学2年の時だったと思うが、読書感想文を書くために、 太宰の「人間失格」を読み衝撃を受けた。 私が今まで選んで読んだ本には、あんなに精神が不安定な人は 一度も出てきたことが無かった。 それに引きずられるように、私の隠れていた不安定な心が 出てきてしまった。
そして、中学の時の家庭が一番酷くて、 たぶん私もかなり不安定だったのだと思うけど、 記憶はかなりあいまいで飛んでいる。 不安定な心に気付いた事で、それを認め、 そして、少し私は救われた。
中学の時は、現実逃避のために、ただただコバルト文庫の夢物語と、 星新一のこれまた空想に浸っていた。 その一方で、8歳違いの兄が読むベストセラーと呼ばれるものも 読んでいたので、読むものはバラバラだった。
高校へ入ってからも、膨大の量の本を読み続けた。 勉強はさっぱりだったけど、本は本当に沢山読んだ。 あまりに読んでいるので、知らずに同じ本を何度も読んでしまう事も しばしばだった。 少し読んでから「?」と思い、そして気付く。 それの繰り返しだ。
そして、大人になって初めて好きなものや嫌いなもの。 受け付けない本なども分かってきた。 今まで、読みきれなかった本は2冊。 「ソフィーの世界」と「ハリーポッター」。 たぶん、絵本が活字になっているイメージで、 素直に入っていけないような気がする。 絵本も、沢山持っているし、読み聞かせもしているけど、 私は絵本にのめりこむ事は無い。 たぶん、その辺がネックなんだと思う。 だけど、何年かかっても最後まで読むつもりでいますが・・意地で(笑)
最近は、それでもあまり読まなくなった。 時間もないし、途切れ途切れに読むことになってしまい集中できないのも ひとつなんだが・・・。
そうしたら、自分がどんなに本が好きかが分かった。 分かっただけでも良かったと思う。
そして、それを感じてる自分が少し幸せ。すると、何故かエッセーばかり(^-^;
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