目口覚書
■目口覚書■
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2002年10月22日(火) 陥没ビーチクの強み

朝予定より寝過ごしてしまったというのに
空はピーカンで、
こりゃ洗濯せなあかんわい と洗濯機を回したら
出かけるべき時間を過ぎても まだ脱水サインが聞こえない。

しわを伸ばすのももどかしく
ぐっしゃぐしゃの靴下やシャツを洗濯はさみのさきっぽに挟みながら
「ま、ダンナさんのやから ええか」とひとりごちる。

あぁ時間がない!
昨日は雨で乗らなかったダンナさんの自転車、
どれがそうかは知らないが、駐輪場の中から適当に鍵を差し込む。
鍵が開いたら きっとうちの自転車だろう。

サドルを一番下に下げて
それでも足が地につかない自転車にまたがり
普段乗りなれてないのでフラフラしつつも 必死で店に向かってこぐ。

あ!

なんで気がつかなかったのか。
なんでそのまま来てしまったのか。

不幸中の幸いにしてTシャツでなくトレーナーを着ているとはいえ、
素肌に一枚。そしてノーブラ・・・。


おーまいがーっ。
でも引き返す時間もない。
店でしているエプロンは胸当てのない カフェエプロンなので
躊躇したが、まぁノーパン喫茶があんねんからノーブラ弁当もええやん。

昔、会社の専務がノーパンしゃぶしゃぶに接待で入った話をしていたが
女の子に追加を注文すると、わざわざ高い所にインターホンや
お箸なんかがあって、ノーパン店員が背伸びしながら取り上げ
それを客が下から見上げる仕組みだったといっていた。
なんとお寒いことだろう。

あぁじゃぁわたしはどんなサービスをしたらいいんだろう。
と考える間もなく店 到着。
加齢により乳ぶらぶらなもんで、小走りになるときは両腕で挟んで
運動会の小走り入場みたいになってるし、
擦れたせいか乳首たってるから 姿勢悪くしないと目立つんで妙に猫背やし。
わたしは坂上二郎か。

こういうときに、ニプレスいらずの乳って 強いのね。

そうこうしてるうちに、夜勤明けのダンナさん登場。
「なーなー、今日ブラジャーしてくんの忘れてん。目立つぅ?」
と胸を張ったら 頷いた後 目を背けた気がしたのは気のせいよね?


ダンナ実家のルールとして、誰かの誕生日は全員集まってお祝いする
という 誠に結構(迷惑な)しきたりがある。
全員でお金を出し合い プレゼントを買い、ケーキにろうそくを立て
ハッピバスデ合唱拍手乾杯一連パーティだ。

店で食事をとってたら「プレゼント、何がいい?っておふくろが聞いてるよ」
とダンナさんがいってきた。

「いらないよ。今皆お弁当作りだしてから疲れてるのに、いーよ。
パーティもいらないし」
現に、先月誕生日だった兄嫁は すっかり誕生日を忘れられ(夫にも)
パーティも何もなく あとであわてて現金だけ渡されたのだ。
いや そのほうがいいけど。

それを気まずく思ってる義母は今回はちゃんとしようと思ってるらしい。
「俺が買ってくるから、何でも好きなもの 言いな」というから







満面の笑みで





















「ダンナさんの 愛」




と答えました。

彼はうつむいていましたが、嫌味だったでしょうか。
本気なのに。






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