目口覚書
■目口覚書■
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2002年05月31日(金) うり坊

雑誌をぺらっとめくったら
動物写真家の「いのしし一家」の写真があった。

ラグビーボゥルほどのうり坊が、くちゃくちゃに折り重なって
きっと最下段のうり夫もしくはうり子は重いだろうに
薄目をあけてまどろんでいる平和な写真。


私の実家のある街は、交通機関もショッピングセンターも
そこそこ整っている地方都市のくせに、少し坂道をあがると
いのししに会う。

いや短期間で発達した地方都市だからこそか
山を削り海を埋め立てたため、居場所やエサを探して
いのしし一家ご一行さまは「下」へおりてくる。

とくに、六甲あたりは遭遇率非常に高し。
以前、探偵ナイトスクープでやっていたが
「イノシシが信号待ちをしているのを見ましたが家族は信じてくれません。
探偵さん調べて下さい」
という依頼があった。

この街に住む人間なら「そら そんなこともあるやろ」と思うことだが
すぐ近くの大阪の人すら「そんなことないやろー」とつっこんでいた。


かくして調査の結果、体長2mはあろうかという超巨大イノシシが
人間と一緒にバス停近くで信号待ちしている映像が放映された。




若かりし頃、その地方のギャルならお約束の「六甲の夜景を見るデエト」帰り
ふと車の外を見ると、2匹のちぃさいうり坊を見つけた。

「きゃぁ かわいー。」とドアをあけ触ろうとしたら
「あほ!さわったらあかん!おかんが走ってくる!」と運転手に怒られた。

このあたりに住む人たちは奴らの習性をよくご存知なのだ。
仕事関係の知り合いにも 渦ヶ森あたりに住む人がいて
ごく普通に「昨日 飲んだ帰り でっかいイノシシにおうてん」と言う。

で どないしたん?と聞くと
「目は合わさない。静かに どこかの家の門柱にかくれ 通り過ぎるまで
じっと待つ。冬の夜はそれがたまらなくつらい」と嘆いていた。
冬眠前?にエサを求めて出没する回数が極端に増えるらしい。

関西のとある落語家の家では、イノシシにしょっちゅうインターホンを
押されると言っていた。

奥さんがインターホンに出ると
「ふごっ ふんがっ ふんごっ」と荒い息しか聞こえないので
変態がいらずらしてるんだと長いこと思っていたらしい。

いのししが立ち上がった鼻先にたまたま呼び鈴があっただけなんだが
なぜピンポンダッシュしなかったんだろう。

愛すべき動物たち。
閉鎖する宝塚ファミリーランドの動物たちはどこへいくんだろう。


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