目口覚書
■目口覚書■
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2002年05月26日(日) 立見もでてた東京芸術劇場(小2ホール)

居酒屋BGMのおかげで 俄かに勃発したコンタ熱。

調査の結果まさに今 かの上杉祥三氏(野田秀樹 夢の遊民社にいたひと)の
旗揚げ公演に出ているというではないか!

近々すぎるのでぴあでも取り扱ってないとかで 劇団事務所に電話してみるも
希望日分はSOLD OUT。
これは縁がなかったということかと思いきや、直接劇場に電話したら楽日とれた。
なーんや。東大もっと暮らしいいってことね。(灯台もと暗し)

当日 埼玉の山奥までフットサル大会に行くというダンナさんと途中まで一緒。
東京芸術劇場は初めてなので 事前にYAHOO MAPをさんざん目にやきつけて
開演30分前には到着。チケットは一番後ろだったが、それでも前から18番目。
こじんまりとした劇場だった。

こういうメジャーラインからはずれている芝居は 観客も身内(劇団の役者)
だったりほんまもんの身内だったりする。
私のお隣の 和服のご夫人も役者さんらしき人にたくさん挨拶されていた。
誰かのおかーさんだろうか。

演目は『神経衰弱』。ユニット劇団トレランス旗揚げ公演。

フロイトやユング、シンクロニシティやトランスパーソナル、エス、超自我
なんぞの単語が飛び交う。
コンタは音楽だけでなく(舞台で管楽器)ユング役もしているのだが
内容が面白く ぐいぐい入り込んでしまった。

台詞劇なのだが、主役の長野里美の滑舌なめらかなことといったら。
 
 愛嬌もあって優しい女性だが 好きな男の前では無意識の相手への束縛が働き
最終的には男にいつも捨てられるという女の役。
それはかつて母親に抱かれた記憶がない自分の 愛情貧乏さがさせる所以に気付く。


「いい大人なのに・・・いい年をした大人なのに・・

自分で自分におり合いつけられないなんて。いい大人なのに・・」

自分自身に泣く場面は ふと山本文緒を思い出す。
この芝居の脚本家であり演出・主演もしている上杉祥三は
いい本を書いたなぁとおもいながらパンフレットをめくる。

小さなユニット劇団を観る楽しみのひとつにいい役者を見つけることがある。
今回も関西の役者で 井之上チャルという男がいた。
彼はいつか「出てくる」気がする。

さてさて生コンタ。
もう第一声からコンタ。あの声!あの声!ひょおおおえええええぇぇ。
あの頃のまんまに見えてしまうのは いかに彼が不良かってことか。
小道具が手から飛んでハラハラさせるところもありましたが
とても存在感のある役者さん。芝居だけでなく クラリネットで描写する
ところも聞かせた。

舞台見に行ったら入り口でいっぱいチラシもらうでしょ?
 これで芝居熱また勃発。中野とか下北沢いくぞー。

千秋楽の昼公演だったので 帰りロビーでは花を配っていた。
京本政樹とか他劇団からのてんこもりお花を無駄にしないよう
好きなのを持って帰っていいのだ。

とてもきれいなピンク系をもらって帰ってきたのに
帰りに寄り道した池袋東武百貨店のKIHACHIで 黒ごま濃厚牛乳ソフトクームを
食べた時、丸テーブルの棚に置いたまま忘れてきてしまった。

おまけに帰っても全然気付かず 人様が花嫁からお花のお裾分けをもらったという
日記を読んでやっと気付く。
んんんんんんああああああああああああ
コンタ記念の花束なのにぃいぃ。

そういや、サンシャインボーイズの伊藤俊人氏が若くして逝った記事を
3日ほど前ネットニュースで知った。ショックだった。
三谷幸喜作品でお馴染みさんだった彼。

人は絵を書いたり 写真を撮ったり 歌を作ったり歌ったり
物を売ったり 縫ったり 料理を作ったり 文章を書いたり
いろいろな方法で自己表現している。

役者は芝居することで自己表現している。
彼はもう肉体をかりて芝居することはないが
これまでの40年間を いっとき自己表現できた。
いい自己表現ができたんじゃないかな 他人の私がふと思う。
                         合掌


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