覚書
自分自身への審問 辺見 庸 著 狂想モノローグ――「かさねてきた徒労のかずをかぞえるな」 より
ぼくは湿土の闇のなかで顫動したり絡みついたりする自他の地下茎の動きを感じるのは好きですが、そうした隠微を思慮の外に排除するあらゆる種類の政治を厭わしく思い、憎みさえしています。市民社会はいうにおよばず、権力にも自称革命組織にも最後には愛人にも敵視されるような単独のテロリストのほうが、政治まみれの者より人としてまだましと考えたりします。誰にも指嗾されず指示もされない、何にも属さない単独者。全世界 vs 個。
 椿 ‘月の輪’ 後ろはサクラソウ
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