覚書(徒然草 第百三十九段 より) 草は、山吹・藤・杜若・撫子。池には、蓮。秋の草は、荻・薄・桔梗・萩・女郎花・藤袴・紫苑・吾木香・刈萱・竜胆・菊。黄菊も。蔦・葛・朝顔。いづれも、いと高からず、さゝやかなる、墻に繁からぬ、よし。この外の、世に稀なるもの、唐めきたる名の聞きにくく、花も見馴れぬなど、いとなつかしからず。 大方、何も珍らしく、ありがたき物は、よからぬ人のもて興ずる物なり。さやうのもの、なくてありなん。