2024年11月04日(月) |
優しい劇団「歌っておくれよマウンテン」 |
久しぶりに人の芝居を見た。 なかなか刺激的だったので、散文的に感想を。
・芝居を見ての第1印象は清々しいくらいにクドイ(笑)(←もちろん誉め言葉) ・何もない場所を劇場にすることが前提の公演方法で、そういう意味では斬新だったけれど、明かりの方向(特にセンター奥)でまぶしく役者の表情が分からないこともあった。それまではお客さんが平たんな場所で見ることが多かったのかな。ただ、テクノロジーの進歩(LEDやBluetooth)の取り入れ方が素晴らしい。最新の技術なのになぜか昔のアングラっぽい雰囲気になっている。同時に演劇を劇場から解放しているので、いろんな意味で素敵な方法だなぁと思った。 ・先日紀伊国屋ホールで「朝日のような夕日を連れて」を観てきた。自分にとっての原点みたいな芝居。新ネタ以外はすべて知っている芝居なのに、すべてが新鮮ですべてがまぶしくてすべてが衝撃の塊みたいな、それでいて最後の手紙は胸に突き刺さった。 ・今回の芝居を見ていると、「朝日〜」と同じ匂いを感じながらもとても懐かしいものを感じる。立て板に水のごとく流れていくセリフの速射砲は、役者の滑舌の問題と緩急がない分、展開が早すぎる部分はあるものの、かなり鍛えてきたんだなぁって感じるのと同時に、こういう芝居が好きなんだろうなぁって伝わってくるし、潔さと心地よささえ感じる。そして同時に自分たちが劇団をやっていたころを思い出す。当時は汗でも唾でも汁を飛ばしたもん勝ちみたいな芝居をやっていて、「汁男優」「汁女優」という言葉は誉め言葉だった。今はこんな風に体力を無駄に使う芝居は皆無なので劇団員と同年代の観客にとっては新鮮に映るんだろうなぁ。 ・こうしたほうが良かったなぁと思うことは、全般通して同じテンポで同じスピードでしかもハイスピードなので、見る側としては休憩みたいなシーンを数か所作って、芝居を観る呼吸を整えたいと思った。芝居の空間が特別な空間でありうるためには演者と観客の呼吸が一致すること。ただただ走るだけだと置いてきぼりの人たちを多数生んだまま芝居が終わってしまう。特に今回は空間や時間を大きく飛び越えたりする芝居なので、観客も舞台と一緒に宿屋でチャージしてレベルアップして次のミッションに進めるといいかなと思った。もちろん7年後はいろんな意味でバージョンアップするんだろうなぁと期待をしている。しかし同時に50代半ばの生理のために着いていかないのかもしれないという気付きたくない部分は横に置いといて・・・(汗) ・この先も「劇団」を大事にしてほしいなぁ。「劇団」を名乗っていてもチラシを見るとほとんど客演だったり、フリーの役者を使っていたりするのを見ると少し寂しい気分になる。「劇団」は人も金も物も有限でできることに限界がある。でも限界があるから工夫をする。だからげ「劇団」の芝居は個性的であって他にはない唯一無二の味が出てくる。これからも「劇団」にこだわって頑張ってほしいなぁ。(という希望)
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