「いいですね〜、あちこち行けて」 会場から制服のままタクシーに乗り込んで、宿泊先に向かう間、何度このコトバを頂戴したことだろう・・
「土地の美味いもの食べて・・うらやましいなぁ」
ちぃ〜っとも良くないし、うらやましがられる程の事じゃないのだ。
だって、仕事だから。
旅行とは違うんだから。
朝、目が覚める場所と、夜、目を閉じる場所が違うだけで、他は何にも変わらないんだから。
仕事が終わったら、コンビニで夕食と朝食を買い込んで、テレビ見ながらダラダラ過ごして寝るだけなんだ。
辺りを散策?
ワクワクさせてくれるような所はもう無いよ。
しかも、今回の仕事は、長いんだ。 なのに、まわりに何も無い。 商店街なんて10軒に1軒しか開いてないんだ。
東映太秦映画村のセットかと思ったよ。
飲みに出ていた連中に、 「来週も引き続きよろしくって、会社からメッセージがあったナリよ〜」 と伝えると、あちゃ〜こりゃ〜もう飲みに行くしかないぜ!と、もう一度、飲みに出かけた。
部屋の照明が暗いので、明るめの電球に替えることにした。 ユニットバスの天井にカビが生えているので、掃除もしてやることにした。 もう、ハラをくくって、このホテルに「住む」しかないのだ。
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