東行庵の軒下で

2001年10月13日(土) 晴れのち時々流星

蜂の王様へ

遠くへ、旅をしようね・・
とっておきの景色をみせてあげるよ。


船に、釣具をつみこんでさ、あの島に渡ろう!
岸壁に腰掛けて、釣り糸をたらそう。釣れるさ。アジや、かわはぎ、ちょっとやっかいなバリ。
いわしだって、釣れるよ。いわしの腹の、青いラインはとっても綺麗なんだから。

潮が止まったら、昼寝中の猫を見て歩こう。島のネコは親戚同士だから、顔が似てるんだよ。

オナカが空いたかい?
これはオニギリって言うんだよ。中にはいってるのは、鰹節?昆布?鮭?
梅干はね、釣りの時には持って来ちゃだめなんだよ。
何故って?
師匠が言ってたんだよ。意味までは、教わってないけどね。


・・・風向きが変わったね。
太陽が西に傾いたね。

迎えの船に乗り込む時は、なんだか足取りが重いね。

・・・わかってるよ。その一言が言えないんだって。

二人の「旅」は、決して「暮らし」にはならないんだって。

でもね、「暮らし」は終わったら続けられないけど、「旅」は終わっても、また新しい旅を始めることが出来るんだよ。

思い出は、いくら増えても重くないから平気だよ。
だから
また、二人で旅をしようね。

たくさんの思い出たちが、果たせない約束を、過ぎ去る時間を嘆いてもさ。













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