おおみち礼治のてくてく日記
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2001年10月23日(火) 感覚

 誰も見ていないような、ど夜中にNHKが自然環境のBGVを流しているでしょう。突然、そういうものが見たくなって、お店に行ってみた。あるある。ハワイにバリ島、屋久島、奄美、地球の大自然……。迷ったあげく、ジャケットの写真に引かれてタヒチのDVDを買うことにしました。
 見た。
 夜明け前、雨が降り注ぎ、ときおりカミナリが、どどんと音を立てて空を一瞬、明るく照らし出します。椰子の木に覆われた島々と、透き通ったような青い海と空。ラグーンの波の色とさざ波の音、教会に集う人々。ゆらゆらと揺れるボートから見た無人島群、そして海の彼方に沈む雄大なサンセット。
 空から見たタヒチの美しさには、鳥肌が立ちました。
 ……が、それだけなのですね。何かが足りない。DVDだから、画面はくっきりとしてとてもきれいなのだけれど、五感のうち刺激されるのは視覚と聴覚だけですから――その場の雰囲気、風が肌をなでていく感じや空気の香り、日の暖かさ、空間の広さ、その土地のバイブレーションといった「感覚」にうったえかけてくるものがない。そんなに簡単に自分の――というか人間の感覚は騙せないのだなぁ、と。
 頭脳は情報ひとつで簡単に騙せるんだけどね。どっちが高級な機能か? というと云うまでもないのだけれど、普通は逆に思われているかもしれません。よく考えると人間の本来的な事に関わる重要なことと思います。


おおみち礼治 |MAIL

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