しばらく前の動物番組で、マルチーズが出てた。
２歳の時、４歳の時、そして現在の１２歳の時。
そのワンコちゃんは家族の愛につつまれて、やがて死の時を迎える。

飼っている動物の死を迎えるということは、ほとんど必ず
やってくる現実。
犬や猫は人間よりも寿命が短いから。

あたしは何度となく、動物の死にかかわってきたし
自分が飼っていた犬の死にも何度も立ち会ってきた。

彼は・・・たぶん、ない。
愛すべき家族を失うということは、すごく悲しくて
辛くて「ペットロス」になってしまう人も多い。
（ペットロスとは、「愛玩動物喪失」と呼ばれるもので
愛する家族（動物）を失ったショックで、精神的に病んでしまうこと）

クリムはもうじき１３歳。人間でいうと７０歳近い。
持病もあり、薬が手放せない状態。
悲しいけれど、遠くない将来「死」というものが訪れるであろう。

動物を飼うということは、「エサをやって育てる」ことではなく
無償の愛を注ぎ、そして死を迎えるまで責任を持つということ。

ただ、毎日動物と一緒に過ごしてたら「いつか死ぬ」ってことが
ピンとこなるなる。たいていいつも元気で、走り回り
飼い主に愛情をむき出しにじゃれついてきて、人間は癒される。
でも確実に人間よりも早く年をとっているのだ。

いつの日か・・・覚悟しなければならない。
そのことを彼に知ってもらうために、録画してあった
テレビ番組を彼に見せた。
キキに似たマルチーズが主人公。賢く、家族に愛され
若いころの元気な姿。今は年をとり、立ち上がることも出来ない。
・・・やがて、その命を終えていった、そのワンちゃん。

テレビを見ながら、彼もあたしも泣いていた。
あたしは彼に言った。「動物を飼うってこういうことよ」と。