夜・・・一緒にベッドに入り、最初二人の間にクリムがいた。
だけど、クリムには脇に避けてもらって彼に腕枕してもらった。
寒い夜は人肌が気持ちいい。

彼はあたしにＫＩＳＳをして、抱き寄せた。
「今日はこのままでいよう・・」って言ってあたしの手をニギニギしてた。

・・・だけどあたしは悲しかった。
体を密着させ、ＫＩＳＳしていても彼はあたしを抱こうと思わないのだ。
そりゃ、腕枕も気持ちいい。そして、ＫＩＳＳも心地いい。
「好き・・・」の言葉も本当ってわかってる。

でもね・・・


時間に余裕があって、体力の余力もあるんなら、子作りじゃなくて
あたしは彼に抱かれたかった。（別に欲求不満ってわけじゃないのよ）

そういうことを彼に言えればいいんだけど、あたしの性格では
やっぱり言えないの。
「今日はエッチせんでええねん」と彼は言う。


そして彼は・・・そのうち寝息をたてはじめた。

女として、なんだかとっても惨めな気分になり、あたしはベッドから
すり抜け、真っ暗な寝室を後にして階下へ降りた。
このままじゃ、気分が高ぶって眠れない。
「ちょっと落ち着こう」そう思って一人でいた。

眠くなるまで・・・でもすることないし、なんとなくＰＣ立ち上げて。
テレビもつけず、静かな部屋にはＰＣの機会音だけがしていた。

・・・と、そこへ彼が２階から降りてきた。
すんごいびっくりした。だって寝てたのに・・・
「どうしたんや？」眠そうな顔をして彼があたしに聞いてきた。

なんか、何も言えなくてポロポロッと涙が流れた。
彼はさらに「どうしたん？何？何かあった？」とあたしの傍に座った。
そしてＫＩＳＳして抱きしめた。

「・・・なんでもない」抱きしめられたままあたしは言った。
だけど、「なんでもないわけないやんかー・・泣いてるやんんか」
そうね・・・そりゃそうだわ（笑）

あたしは言いたいことをなかなか言えなくて、自己消化して
しまおうとするクセがある。ほんとはよくないんだけど。
でも目の前に彼がいたらそうはいかない。
「何？どうしたん？何なん？」としつこく聞いてくる。

結局、二人で寝室に戻って話しする。
それでもあたしはなかなか言い出せない。先に涙が出ちゃうのよ。
それを彼がタオルで拭き拭き、あたしからの言葉を待ってる。

やっと思ったことをいえたあたしに彼は、「ごめんな・・・」って。
別に彼が謝る必要はないのに。
「まいに女としての魅力がないわけちゃうねん。ごめんな」
何度かＫＩＳＳしてうぎゅ〜〜〜と抱きしめた。
「愛してる・・」耳元で彼の低い声が響いた。

なんか・・・彼の思いが伝わって、自分がちっぽけに思えた。
たぶん素直に「抱いて」って言えなかったあたしがいけない。
変な遠慮して溜め込んじゃダメだよねぇ。夫婦なんだから。
わかってるんだけど。。。。

彼は何度も謝った。あたしは彼に涙を拭かれながら首を振っていた。
握った手から愛が注がれてる気がした。