詩集 ”心の扉をひらいて

2006年08月07日(月) 洗濯物

母が畳んでくれた洗濯物

綺麗に行儀良くまとまって
洗濯籠の中に収められていた

年齢相応よりも
物忘れの度がかなり進んでいるとの
医者の言葉に

やはりそうなのかという思いと
そうであって欲しくないとの思いとが
胸の中を交差し
目の前に座る母を見つめる

最近は
母の顔つきも少し変わってきたが
それでも
昔の優しい笑顔は決して忘れることはできない

いつの日か
私たちのことも分からなくなる日が
来るのだろうか

そのとき私は
母とどう向き合えばよいのだろうか

きれいに畳まれた洗濯物を見ていると
胸がいっぱいになり
涙がにじむ

 


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