メロディの無い詩集 by MeLONSWiNG
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16歳で稲妻に打たれて歌を始めた 己の実力に体が震えてただただ歌った ある日突然言葉が途切れて歌えなくなった 才能が尽きたわけではない それは充電期間の訪れなのだ
充電充電充電 充電充電充電 俺様には神様がついている 再び詩とメロディが降りてくるまで 充電 充電
二十代も半ばを過ぎた頃再び目覚めた 試しにギターをかき鳴らしてみて電気が走った 溢れるような自信と満足でライブを始めた 二年もたったら歌いたいことのネタが尽きてきた
充電充電充電 充電充電充電 俺様には神様がついている ちょっと休めばまた蘇るさ 充電 充電
駆け足で月日は流れ 三十路も過ぎ 四十目前 語る歴史は然程ない 充電に満ち足りた日々だった
歌を歌って20年 持ち歌数えて20曲 後から生まれた若者が 生意気に俺を追い越して 天才現ると騒がれているが この俺様が埋もれるなんて 嘆かわしきこの世の中よ
この才能が世に認められるまで もうわずか、もう少し そこに栄光が待っている 20年暖めて来た日々 無駄じゃない 無駄じゃない 今夜も素晴らしい音が生まれそうだ 持ち歌は少ないが数作ればいいってものじゃない
充電充電充電 充電充電充電 十年十年二十年 そのうち神様が 拾い上げてくれるさ
きっと向こうから 迎えに来てくれるさ この才能を聞きつけて
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