メロディの無い詩集 by MeLONSWiNG
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事故で電車が止まってしまった 人々も僕も動けない状態 曇り空なのに 雨が降りそうなのに
『お待たせいたしました』と動き出す車体 誰かの口から漏れるため息 でも僕のこころは動かないまま どしゃ降りの雨がふってきても なにもかわらない 以下余白
隣の席がぽっかり空いた 彼は昨日で退社してしまった 連絡先など知らない もともと殆ど喋ってもいない
向こうのデスクで女の子たちが 楽しそうに喋っている 彼氏の自慢と夕べのディナーを話してる 僕の時計は動かないまま 以下余白
虹色の見栄が 豆腐の角に 頭ぶつけて壊れるよ
薔薇色の強がりが むりやり幸せを 演出して笑ってるよ
プライドのぶつかる音がする 居心地の悪い夜が来る 僕はその空気に触れたくない こっそり逃げ出そうとするけど
かたつかない部屋の呪い 足元から悪魔の手が伸びる ここはどこだろう ぼくはだれだろう 知らぬふりも通じない 以下余白
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