2010年06月24日(木) |
委員長のゆううつ。その2−24 |
「依り代って何なのさ」 あたしよりも早く。先輩が疑問を口にする。 「まずはあたしに触ってみなよ」 促されるがまま、マリーナさんの手をとろうとした。 うん。したけれど、手は見事に彼女を通りこしてしまった。 「あたし達精霊には実体がないのさ。だからどうしても不安定になってしまう」 「だから、変わりの実体をもったものがあれば、マリーナは一休みできるしそれを通じて動くこともできるの」 要は簡易寝床ってとこかしら。なったほうはとんでもないだろうけど。 「その依り代は、どんなものがいいんですか?」 「道具でもいいし、生き物でもいい。とにかくここに実在していることが重要なの」 実際は道具に宿ることが多いらしい。もしくは物を長く使っていくうちに精霊が宿るとか。どこかの昔話みたい。 「でも、生き物を依り代にしたら、それまでの動物の人格とかはどうなるんですか」 「なくなるってことにはならないよ。そいつと精霊と半分半分かな。たまに元の性質がでちまうかもしれないけど」 「じゃあ、人間を依り代にすることは?」 「できないことはないけど。やったことはないからね」 なんなら試してみる? という提案にあたしは丁重にお断りした。
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