2010年04月02日(金) |
委員長のゆううつ(仮)。2 |
目の前にあったのは、真っ白な霧だった。 「気がつきました?」 声とともに差し出されたのは白いマグカップ。 「スープです。体が温まりますよ」 カップから湯気がたちのぼる。口をつけると、磯の香りが広がった。 「おいしい」 素直に感想を口にすると声の主は笑みを浮かべていた。 「口にあったみたいでよかったです。おかわりもありますから遠慮無く言ってくださいね」 そう言ってさらに差し出されたのはサンドイッチ。 磯の代わりに今度は卵とレタスの絶妙なハーモニーが口の中で広がる。お腹がすいていたものだから、一気に二つ食べてしまった。 三つ目を食べようとして。 「よく食べるねぇ。君」 別の声に阻まれてしまう。 「現状わかってないんじゃないの?」 背後からかかってきたものだからむせてしまう。胸をたたいて、残りのスープを飲み干して。 えーと。 うん。うすうす気づいてはいたけれど。食欲には勝てなかった。 口の中のものを飲み込むと、声のした方へ質問をぶつける。 「あの。ここはどこでしょう?」
過去日記
2007年04月02日(月) 中間報告二十回目 2005年04月02日(土) 仮面ライダー 2004年04月02日(金) 「EVER GREEN」5−9UP。
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