つれづれ日記。
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2003年11月12日(水) SHFH9−2

SkyHigh,FlyHigh!

Part,9−2

 まりいの気が重い理由。それは昨日シェリアの言った一言だった。
『アタシの大切な仲間……友達よ』
 その一言が胸をよぎる。
『仲間』とか『友達』って言葉人から聞いたのって初めてだ。そもそも、そんな言葉を面と向かってはっきりと言う人は珍しい。
 まりいは彼女のことがうらやましかった。ただ、それだけでは気が重い理由にはならない。
 まりいの気が重い理由。
 それはシェリアの一言をきっかけに昔のことを思い出してしまったからだ。
 まりいは孤児。小さい頃は施設で生活していた。
 焦げ茶色の髪に明るい茶色の目。色素のうすい肌にやや西洋がかった顔立ち。きわめつけは『まりい』という名前。
「なんで私だけこんな変な名前なの? なんで私だけいじめられなくちゃいけないの!」
 小さい頃は先生に泣きながらよくすがったものだ。
「まりい。あなたの名前はあなたのお父さんとお母さんがつけてくれたものなの。もしあなたが『まりい』じゃなかったらお父さんとお母さんが迎えに来た時困るでしょう?」
「そんなのいらない! だってお父さんとお母さんは私を捨てたんだもん!」
 私は捨てられた子供。  
 だからこんな名前もっていてもしかたがない。






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