母 「起きたならさっさと行って来い」
というわけで、しぶしぶ選挙に行ってきました。
場所は小学校の体育館。いやー、本当に変わってない。6年生の時に一週間しかいられなかった校舎も、全く改築されてない体育館も。 確か全学年あわせて100人にも満たない小さな学校ですけどなくなってはほしくないものです。
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SkyHigh,FlyHigh!
Part,8−5
「ショウ、いつからいたの?」 「『それはアクアクリスタルと言うの』あたりから」 壁にもたれかかりながらそっけなく答える。 「なんでここにいるの? 部屋に戻るんじゃなかったの?」 「天気が崩れそうだったから出発する時間を早めようって言いにきたんだ。そしたらその石の話になってるだろ。二人とも話しに夢中みたいだったし。だから話が終わるまでここで待機してたんだ」 ……もっとも、公女様にそんな事情があったとは知らなかったけどな。 その一言だけは胸に押しとどめおいた。 「じゃあ、気づいてなかったのは私だけ?」 「そういうこと。アンタが一番話に夢中だったみたいだから」 「一言言ってくれてもいいじゃない」 「アンタどちらか一つしか集中できなさそうだったからな。鈍そうだし」 「私そんなに鈍くないよ!」 そう言うと手元にあったバックをショウ目がけて投げつける。 これには予想外だったらしく、みごとに顔面に直撃する。 「アンタ、見かけによらず力あったんだな」 「……もう一回投げた方がいい?」 「……っ、あははは!」 『……?』 シェリアのあげた笑い声に二人の目が点になる。 「あなた達って面白いのね。アタシ知ってるわ。こういうのって『仲間』って言うんでしょ?」 『…………』 「あと『友達』とも。シーナ、ショウ、ありがとう」 急にお互いの手を握り締められ、二人はどうしていいかわからなくなってしまった。 「あなただけよ。アタシのこと公女様じゃなくて『シェリア』って呼んでくれたのは」 自分と同じ明るい茶色の瞳を見据え、シェリアが言う。 「あなただけよ。なんだかんだ言ってもアタシを普通の仲間として見てくれたのは」 黒い瞳を見据え、公女様が言う。 「二人ともありがとう。あなた達はアタシの大切な仲間……友達よ」 『…………』 公女様の一言に二人絶句してしまう。 「アタシ……なにか悪いこと言った?」 「……なんだかクサいセリフだと思って」 「『クサい』って何?」 「……キザだって言うこと」 「そうだったの。今度使わせてもらうわね」 「そんな言葉公女様が覚えるなよ」 「あら? 『何事も社会勉強です』って従者はよく言うわよ?」 「どんな従者なんだ。そいつ」 「ホントね」 そう言うと、二人して苦笑する。 でも、まりいは素直に笑うことが出来ないまま『仲間』という二文字の重みをかみしめていた。
過去日記
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