SkyHigh,FlyHigh!
Part,7−3
さて、この世界に関する説明はここまでにしておくとして。 「こいつは食用だな。持っていくとするか。」 ショウが荷物の中からナイフを取り出す。 「時間がかかるから二人とも(荷台の)中で待ってろ。」 そう言うと、さっきまで戦っていた獣の死骸を丁寧にさばいていく。 「う……アタシ、やっぱだめ。悪いけど休ませてもらうわ。」 シェリアが顔を青くして言う。まあなんだかんだ言ってもシェリアは公女様。無理はないだろう。――まあ、公女でなくても普通の人間なら抵抗があるだろうが。 「シーナはどうする?休む?」 「私は……もう少し残る。」 「そう?だったら先に休んでるわ。」
「シェリアと休んでたんじゃなかったのか?」 ナイフを片手にショウが振り返る。 「そのつもりだったんだけど……」 そう言って、まりいはショウの隣に腰を下ろす。 「今度はこいつのさばきかたを教えろとでも言うのか?」 ナイフを持つ手を止めて、苦笑交じりにそう言うと、 「ううん。さすがにそれはまだできない。ただ、見ておきたかったの。」 という返事が返ってきた。 「まあ、別にいいけど。」 再び獣をさばきにかかる。 こんなの見ていて面白いのか?記憶喪失の人間は考えることがわからないよな。 そう声には出さないようにしながら。
過去日記
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