紅い猫の落とす影 生きた記録|夕方|明け方
壁に刻んだ「さよなら」の文字 誰にも気付かれませんように 僕が居たこの場所に 僕が居たこと残しておこう 誰もいない場所 することないし上を見上げる 建物に囲まれた小さい空には いつも1つだけ星が見える 良い匂いのするくすぐったい空気も 湿った生ぬるい空気も 透き通った大人しい空気も 冷たく凍った空気も 誰にも内緒のこの場所で そっと感じた 誰も知らない 誰もいない 誰も見ないけど 小さく息をした ため息一つで 気付かれてしまいそうなくらい 静かな場所だから しばらくここにはこないけど 誰にも知られないといいな いつかまた内緒で来て ゆっくり時を感じたい さようなら 優しい安らぎの場所 さようなら 三角の空
傀儡
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