日だまりに咲く

2003年05月26日(月) 多重債務者の嘘

正直なところ一体いくらあるの?

4ヶ月近く連絡を取らなかった母に久々に電話を入れたら
「今月の生活費がない」と泣きつかれました。
これが事の発端、4月の中旬。

時々こんな風に金銭を渡さなくてはならなくなって何年になるのかなぁ。
呉服店の店長をしていた頃に重ねたローンから
自分の収入では生活がまわっていかなくなった母。
「70万円貸して欲しい」と8年近く前に頼まれた、これが一番最初。
まだ共働きで子供もおらず多少の貯蓄があった私達夫婦は、
一人暮らしで貯えもない状態では心細いだろうからと
余分も含めてその時母に100万円を手渡したんです。
「3年後にローンは終わる。4年目からは貴方達に返済をするから」と
その時母は話していました。

(後々聞いた話なのですが、この頃の収入は30万近く。
ところがローンの返済に18万程も充てていたのだそうです)

それからしばらくして、生活が回らない不安を隠したまま、
自分は更年期障害だ鬱だと言っては自殺や蒸発をほのめかすような発言をして
私や妹の心配をあおったり、何かと理由をつけては
就職したばかりの妹を父の元から自分のアパートに呼び寄せ
結局は、自分の元に置いて生活を始めてしまいました。

呉服屋の仕事を辞めると言い出した時、次の仕事が見つかるまでは...と
みんなで止めたのですが、母は後先考えずに退職してしまいました。
その後も、給付金をもらうまでは仕事探しはしないと
のんびり構えていて、まったく仕事が途切れたことの危機感を持っていない母。
仕事が途切れるということは収入も途絶えるということで、
着物のローンを残したまま辞めてしまっている人の
取るべき行動とは思えないほど楽天的な考えでいるのです。

例えば後に、母が毎月支払う約束で
弟名義で60万円もする電磁化水の装置をローン購入し、
結局母からの支払のないまま、弟が全額払い切ったことがあったり、
40万円もする高額な医療用のマットレスをローン購入したり。
自分の収入・支出を頭に入れない無茶な買物ばかりを繰返す母に
私達夫婦も弟や妹も呆れ果て、閉口していました。

「貴方達は子供なんだから親の面倒は見るのが当たり前でしょう」
お金を立替えてもらって、散々貸してもらって
挙げ句言う事がコレです(`m´#)ムカッ

まして、自分は田舎で暮らす母親に仕送りひとつしていなかったのに
70歳を越えた自分の親に向かって
「娘が困っている時に助けもしないなんて冷たい人間だ!!
 父親が亡くなった時、自分は1円の遺産すら相続していない。
 やっぱり実の母親じゃないとこういう時に本性が出る」と
喰ってかかったというのです。
祖父母が結婚したのは母が小学1年の時。
それ以後、子供ももうけず母だけを可愛がってきてくれた祖母です。
車を買う、着物を買うといっては年金暮らしの母親に
100万、200万と出してもらった過去もあるのです。それなのに...。
あまりにもひどい言い種です。
祖母は母の吐き捨てた暴言にショックを受け
「そこまで言うなら、もう2度と連絡をしないで下さい」と
親子の縁を切りました。当たり前だと思います。

育ての親を冷たいと罵るのであれば、私や弟妹にとって
母は産みの親であっても、私達を捨てて家を出た人なのですから
今は戸籍上、何の関係もないあかの他人ということになります。
母だからという理由ひとつで、育児放棄した母親を
扶養する義務が私達子供にあるのでしょうか?

それでも母は母、という気持ちの上から
できる限りの事はしようと、みんなで協力して支えているつもりです。
なのに母は「貴方達は私の子供なんだから...」
詫びることも恐縮することもありません。当然だと思っているのです。

母が家を出たのは私が小学4年の頃です。弟は1年。妹は3歳でした。
引きずらないハズがありません。
どれ程淋しかったか、どれ程辛かったか。
今、自分が子供を持ち母という立場に立ってみれば尚更
子供の時の辛さが思い起こされるのです。
私を「お母さん、お母さん」と慕ってくれる6歳と3歳の息子。
この子達と重なるこの時期に、母は
自分が耐えられないからと私達を置いて出て行ったのです。

私にはその行動は考えられませんし、その気持ちを理解できません。

父は酒もギャンブルも浮気もしない真面目な人です。
祖父母が身体を壊し入退院を繰返す事が増えたため
途中から父の実家で同居を始め、店の手伝いをしていましたが、
母は、自分の意見も聞き入れずかなり強引な同居だったことや
親戚の出入りもかなり頻繁で、父が自分の親の肩を持つ事もあって
自分の居場所がなかったことばかりを強調して話し
自分には一切の非はなかったと言います。

ところが、父からの話を聞けば
同居前の母は、朝食も作らず仕事に出かける夫の見送りもせず
朝食の支度も子供の世話も、出勤前の父が手掛けていたと言います。
自分のお洒落には余念がなく、無断で高額な買物をして
預金がまったくなかったり...と
祖父母の入院をきっかけに、父が実家に逃げ込む形で同居してもらったことや、
母が店の手伝いもせず、子供を保育園に預けたその足で
友人の家に遊びに行ってしまい、夕方まで帰ってこなかったこと、
母が出て行ってからも、同居中の母の衣装の購入について
「お宅の嫁さん、あちこち掛け買いして払ってないらしいね」と
祖父母が他人様から支払滞納の話を口伝てに聞いて
慌てて祖母が支払に行った事など、山のように出て来たのです。

話半分と言いますが、両者の言い分と子供の私から見た父・母像から判断しても
今の母を見て、なるほどなぁ...昔からこんな人なんだ!!と
納得ができてしまうほど、母は自己都合のみで人生を歩んでいる人だと
解釈できてしまうのです。自分勝手で我がままで、我慢とか辛抱が大嫌いな人です。
金銭感覚も先まで見通す財政計画も立てられない人なのです。

で、借金の話に戻せば
ふた言目には「自分はココまでひとりで頑張って来た」と平気で言って退けるのです。

呆れてモノも言えません-> ムカー!

そしてそれ以後も時々「足りない」と言われては5万、10万渡していましたけれど
ある時、あまりに「お金がない」というので腹が立って問いただすと
お友達から借りたお金を返す期日が迫っていることが判明。
また、それにつられて数件の消費者金融からの借入も判明したました。
総額は100万円程。
けれどその時には私は仕事を辞め、育児のため専業主婦という立場だったし、
夫の収入だけの生活で、家を購入したローンもあって
100万円を出す余裕もありませんでした。
代わりに妹が、車を買い替える為にコツコツ貯めた50万円の定期を崩し
とりあえずは利息が大幅にかかる消費者金融の完済に充てることに...。

返済作業には私が立ち会いました。
各社に全納額を聞いて、金融会社の口座へ入金します。
振込手数料、支払い利息の端数単位まで
きちんといくらかかったかリスト出しして消費者金融3社の返済を終えました。
友人からの借金も、何とかお金を工面して返済することができました。

すべてを完済した後、母は「もう二度と借りない」と約束してくれたのです。

着物のローンはまだ多少残っていましたが、
返済には無理のない程度の額まで目減りしていました。

昨年の4月、区画整理の関係で母はアパートを立ち退かなければならず
引っ越しをすることになりましたが、母の収入では引っ越しの費用も出ませんでした。
立退料での返済を約束して、次に入居する為の費用を立替え、
それだけはきっちり返してもらいましたが、
それ以後も昨年中は主人には言わず、何度となく家賃をこちらで払ったり
いくらかずつ手渡したりを繰返して来ました。

仕事も母の年ではまともな職がみつかりません。
とりあえず収入につながれば何でもやる!!そういう意欲すら見せず、
この仕事は月収が少ないから嫌だ
こっちの仕事は惨めったらしいから出来ない
こんな仕事ならもっと他を探す
と選り好みばかりしていて決まりません。やってもすぐに辞めてしまうのです。
やっとここ4ヶ月程前に、契約社員として大手の製造会社に勤めることができました。

そこへ4月になってまたこの台詞です。
「今月の生活費が足りなくて...」
何故だろう...仕事もしていて月々の収入はあるハズ。
もう言われるがままに渡していてはキリがないからと
事情を聞き出せば、事態はさらに呆れることに!

パチンコ必勝法などというインチキ商法に見事にひっかかり
高額を支払って本を購入し、それを実践する為にパチンコ屋に注ぎ込んで
丸々ひと月分のお給料を使い込んでしまった、と言うのです。
貯蓄もなく、生活費の支払も足りていない人がやる事でしょうか?!
月々の収入でその月々の生活をかろうじて賄っている人が取る行動とは思えません。
もうため息しか出て来ませんでした。
「いくら必要なの?」の問いかけに「20万」の答え。
支払の期日が近いのにお金が全くない、と。

支払い?何のことでしょう...。

着物のローンは引っ越す以前にどうにか払い終わってるという話しだったのに。
ともかく、今日明日にすぐ20万円を用意する事はできません。
私だって家計費からこっそり渡せる額ではないのです。
また主人に相談しなければならなくなりました。

主人は言います。
足りない足りないと言われるまま渡していても終わりがない。
何に払うのか、いくら必要なのか、一度全部聞き出そうと。
食事に呼んだその席で、聞き出すことにしました。
で、日記の冒頭に書いた言葉です。
『正直なところ一体いくらあるの?』

今まではアレコレと話をはぐらかされたり、全部は言わず
一部だけの話ししかしなかった母。
今回も正直に話すとは思えません。
そこで条件出しをしました。
正直に話さないのであれば、お金を渡すことは出来ない。
支払いの滞納でも何でも好きにして下さい!!と。
明日の食費にも事欠く事態の母はやっと観念したように打ち明けました。
前日、母を呼び出すことを決めた時、例えば借金があったとしたら
「100万くらいのことなら自家用車を売って母の返済に充てよう」
と言う話になっていました。ところが...
消費者金融4社から、全社満額借入で総額300万円程ある。
あまりな金額に私達夫婦は絶句。
年利だけザッと考えても1日2,500円も支払うことになるのです。
金額の多さに立替えて一括返済するのは無理だということになってしまいました。

多重債務者の大半は、生活の苦しさから少額の借入をし
それを返す為にまた借りる、雪だるま方式で負債を抱え込むのだと言います。
母もそのうちのひとりなのでしょう。
返済を滞納しない為に次々と別の業者から借入れる。
前回完済したハズの借金が、たった2年で6倍にもなっているのです。

多重債務者は、2度と借りないと約束を交わしても
「ほんのちょっと」のつもりでまた手を出し、同じ事を繰返すのでしょうか。
家族にも嘘をつき、身動きが取れなくなってから泣きついてこられるくらいなら
せめて借りなければならない状況下にある時に、相談して欲しかったと思います。

積み重ねる借金と積み重ねる嘘で、本人もボロボロでしょうが
身内として、嘘を通してきた母を許す事もできず見放すことも出来ず
信頼すらできないまま策を練らなければならない私達も
気持ちは傷付いています。

----------------

まだ解決までの話があるのですが、長くなりましたので
今日はここまでにしておきます。


 < 過去  INDEX  未来 >


里伽 [MAIL]