日だまりに咲く

2003年05月19日(月) 不思議体験

ごくごく普通の生活を送っている中で
時々とても不思議な体験をする私。
幼少時代から今に至るまで、回数こそ少ないけれど
ドキッとすることが何度かありました。

■最近の出来事としては半年程前。
眠りに入る直前に黄色い袈裟掛けをした僧侶が頭の中にふいに現われて
「南無阿弥陀仏と唱えなさい」と一言そう言ったのです。
私は特に信仰している宗教もないし、
何故そんな夢を見たのか未だにわからないのだけれど。
ただ漠然と、心配事や迷い事がある時に
心の中に響くから不思議だったりします。

■旦那さまとおつき合いをしていた頃の話。
彼のおばあちゃまの危篤に、愛知から兵庫にある実家近くの病院まで
夜勤明けの彼を助手席で仮眠させながら送って行った時のこと。

病室には彼の親戚が集まり、おばあちゃまに彼が会いに来たことを
何度も何度も語りかけていました。彼と私はしばらくの間
意識のないおばあちゃまの手を握り時折声をかけながら
病室で親戚の方々と入院してからの経過や
昨日からの様子を伺って、実家へと向かいました。

息のある内にお会いすることができて安堵した翌日、
取るものも取りあえずアパートを出て来た彼に、ご両親が
礼服を揃えなければならないからと紳士服のお店へ連れ出しました。
2軒ほどまわって礼服を選び、サイズ合わせをして
裾直しを待った後、精算を済ませて店を出ました。

車に乗り込み店の駐車場を出た直後、後部座席に同乗していた私は
急に目の前が霧で霞んだ状態になり、軽い耳鳴りと同時に
ふっと意識が遠のきました。
するとそこに、病室の扉が現われました。
私と彼は病室前の廊下に立っています。
すぐに扉が開き中から親戚の方々が口々に「早く早く」と手招いて
彼を病室へ呼び寄せました。彼が入った扉の脇には
小柄で凛とした老婆が濃紺の着物姿で立っており、
視線が合うと彼女は私に向かって黙って深々と頭を下げました。
その表情はとても穏やかで優しさに満ちています。
そこへ病室の中から私に向かって彼が声を掛けました。
「何してるの?早く中に入って入って...」
扉の脇に立つ老婆をてっきり親戚の方なのだと思った私は、軽く会釈を返し
傍を通り過ぎて病室に入りました。

そこで意識が戻りました。わずか2、3分の事だったと思います。

その日、買い物を終えた足で病院に着くと
身内の方が車に駆け寄ってきて言いました。
「さっき亡くなったのよ。病室へ急いで」と。
私はここで自分の家へと帰る事になりました。
結婚を前提としたおつき合いに、ご両親との顔合わせこそ済んでいたものの
身内の不幸に、結婚前の者がウロウロするのはご迷惑だろうということで。

その時はバタバタしていて、白昼夢のことは忘れていたのですが
後日電話をくれた彼にその話をしているうち、
おばあちゃまが亡くなった時刻と、私が白昼夢を見たその時が
何となく重なるような感じを覚えたのです。
「礼服を買ったお店のレシートに支払いの時刻は記されてないかしら」
何気なく思った事を口にしたのですが、
実際にそのレシートを見てもらうと、刻印された時刻は
おばあちゃまが亡くなる5分程前でした。
白昼夢は、商品を受取り車で店を後にした頃でしたから
おおよそですが、精算から5分程経ったちょうどその時だったのです。
後日おばあちゃまの元気だった頃のお写真を拝見したのですが、
あの時、病室前でお会いした方そのものでした。

あの危篤の日が、病床に伏せる義祖母に初めてお目にかかった日だったのですが
何だかとても不思議な体験でした。

まだまだいろいろとあるのですが、また別の機会に書いてみたいと思います。


 < 過去  INDEX  未来 >


里伽 [MAIL]