Web Sequence

go to BBS







北岳報告・入山前




合田は思い出した。この白峰三山の稜線に立つとき、
東側に見えるのはいつも、どこまでも、空と光と、
真っ正面に浮かぶ富士山頂の姿しかなかったことを。

高村薫著「マークスの山」単行本より


日記としてはかなり遅くなりましたが、7月3・4日と、南アルプスの「北岳」に登ってきましたのでそのことなどを少し。

が、その前に・・・
まずは、南の島でだらだら過ごすの大好き☆愛読誌が「海と島の旅」(南の島のリゾート情報誌)だった私が、何を思っていきなり山・山・山、と言い出すようになったかというとですね、理由は簡単、今を去ること1年と少し前、ある日突然、タカムラーになってしまったからなんですよ、自分でも驚いたことに。

タカムラーとは、作家・高村薫さんの作品がとてもとても好きな人間の総称。高村さんの作品を読みまくり、読み返ししているうち、だんだんとその作品世界に深く浸っていくわけですが、一度タカムラーになってしまうと、そのうちに、作品を読んでいるだけではなんだか物足りなくなってくるんです。

そんなわけで、作品を読むだけでは物足りないタカムラーが次に取る行動、それは、作品に登場する場所を実際に歩きまわること。何故って、高村さんの作品中に描写されている場所は、記述を頼りに出かけてみると本当に存在するのですよ。

冬ソナにはまった方が、実際に韓国まで出かけていって、ドラマに出てきた場所を訪ね歩くのと似たようなものだと思っていただければ、私も次に話を進めやすくなるんですけど…。
いえ、哀れみのこもった視線を向けて下さっても、一向にかまわないんですけど……。

そんな高村さんの一連の作品の中に「マークスの山」というのがありまして、その主たる舞台になっているのが「北岳」なのです。

『キタダケソウという花が美しいと、本で読んだ。初夏に北岳で咲くというが、初心者でも登れるだろうか』
高村薫著「マークスの山」単行本より

タカムラーとしては、どうしてもこの花を見に北岳に登りたい!!!

でも、なにせまだ雪渓が残り、登るにはアイゼンが必要という、夏山にはまだ少し早い季節。体力不足で山頂をあきらめて戻ってくるならまだしも、途中で何かあって動けなくなったらどうするの??? 

というわけで、今回は八ヶ岳ミキヤツ登山教室の加藤MSにガイドをお願いしての登山となりました。HPに、今回の私達の山行が早々とアップされていますので、興味のある方、のぞいてみてくださいね。
山行報告の北岳/北岳草をさがして、というところです。

さて、ここからがやっと北岳レポです。
今回ご一緒下さったのは、同じくタカムラーのお三方。ネット上に存在する高村界で知り合い、なおかつ現実界においても、高村的スポットを普段一緒に歩き回って下さっているお友達です。

ネットを介しておしゃべりなどさせていただいているいるときには、まさか実際にお会いして、かつ一緒に山まで登ってしまうとは思ってもいなかったため、お互いの呼び名はネット上のハンドルネーム・・・

ガイドの加藤さん、きっと??????と思われていたことと思いますが、そういうわけだったんです。

さて、今回の集合は中央線の韮崎駅AM9:30。
あずさの車中からすでに盛り上がっていたおかげで、あっという間の韮崎着。加藤さんにピックアップして頂いて、晴天の中を快適ドライブ。

南アルプス林道は、崩落の影響でまだ開通の目処が立っていないため、今回は見延から奈良田を抜けて、北岳への登山口、広河原へアクセスしました。広河原までの林道は片道通行で、そのゲートが開く13:00少し前に林道前に到着。

北岳登山口の広河原到着はちょうど2時頃でしたでしょうか。
準備体操などを済ませ、登山口へと向かいました。

山登り編は、多分次の日記に続きます。

2004年07月21日(水)
FIRST NEW INDEX MAIL BBS