「しゃべれどもしゃべれども」/佐藤多佳子
映画化もあって平積みになってたから買ってみた「しゃべれどもしゃべれども」。
主人公の落語家・三つ葉が、何人かの問題を解決するために奔走する話、と簡単に言い切ることはなかなかできない。主人公の落語家自身がそこまで完璧な人間ではない(作中ではあまりそのようなエピソードが挟まれているわけではないが)し、周りのキャラクターもそれぞれ悩みを持って動いていく。 それぞれの問題を、少しだけ解決して、まだまだ残っているという感じのストーリー構成。目を見張るところはないけど、最初から最後まで読んでいてほっとする感じの文章だった。人間同士のあたたかさを読み取れる。
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