「探偵ガリレオ」/東野圭吾
久々に東野圭吾。芥川賞受賞作「容疑者χの献身」のシリーズの中の第1作です。警察官草薙と、その相棒である物理学者湯川が謎を解き明かす短編集。
帯やら講評には「天才物理学者」と書かれていて、いかにも頭の固い人並み外れた人物が登場するのかと思いきや、この作品の中に出てくる“天才”湯川は、とても気さくで人間味がある。それには文句はないけど、天才というイメージが壊れてしまう気もするんだけどねぇ。 まぁ、天才というイメージに対して、これまで読んでいた森博嗣の犀川先生のイメージが強すぎたのかも知れないけど。
作者が理系の知識を使ったマニアックな小説にしたいと言っている本作品、内容はなるほど理系のアイデアを駆使しているなぁというものから、ちょっとそれは飛躍してないか、と思ってしまうようなものが多かった。 でも、読者が理系なら、Nd:YAGレーザーとか屈折率とか、あるいは衝撃波とか、本当にこのトリックは可能なの?なんて考えながら読めるから、意外と楽しいのかも知れません。トリックとかはそれほど凝っているわけではないです。短編だしね。
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