習っていないから使っちゃいけない?
小学校で読める漢字を増やすという記事がありました。今までは、小学校の教科書では、未習の漢字は基本的には書かないということになっていて、文章を読んでいても、「証こ」とか「簡けつ」とか、変に熟語を“交ぜ書き”してあるものがたくさんありました。これをやめよう、習わなくてもふりがなを付けて漢字で表記しようという働きかけです。 これは、とてもいいことじゃないかと個人的には思います。まず、とにかく無駄に平仮名の多い文章は読みにくい。ある程度漢字があった方が読みやすいというのは、なんとも面白い現象だと思いませんか。日本独特じゃないかなぁ。 熟語として知らずのうちに認識することや、たくさんの漢字を最低読めるようにし、子供のうちからたくさんの漢字に触れさせることはけして悪いことではないと思います。賢い子は、出てきた漢字をどんどん覚えたり、難しい熟語を次々に書けるようになるでしょう。
同じような話題をもう一つ。指導要領にとらわれない入試問題を出すということを京都大学が発表しました。 例えば、理系の数IIIでは、指導要領には入っていない微分方程式を出題範囲に指定したり、数Bでは空間図形も出題範囲になっています。いずれも、旧々課程では出題範囲だったものです。
後者はともかく、「習っていないから使っちゃいけない」という発想は50mを7秒で走れる子に10秒で走れと言っているようなものです。 大学入試では、どこまでを使っていいのか、大学に入ってから習うような事実(例えば、ロピタルの定理とかですが)は使ってはいけないのか、という質問がたくさんあります。これらは、とても馬鹿らしいことだと思いませんか? 知っている事実はどんどん使えばいいと思います。
知識を貪欲に吸収しようとする精神は尊いものだと思います。
※ただし、ロピタルの定理は高校数学の三角比(及びその極限)の定義では循環論法に陥るので、使わない方がいいと思います。
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