たとえ幾百の書物をそらんじていてもあなたをたとえる言葉はきっと口から出てこない大粒の雨の中一人たたずむ雨音に掻き消されるまでもなく声は形にならない『愛』という便利な言葉すらつかえない空っぽな心はただ『あなた』というもので満たされそのまま朽ちていくのだとすればぼくは初めてこの世界に在ったことを受け入れ全身を振り絞り祝福を送る