『ひとは死んだらどこへ行くの?』
初めて黒い服を着たひとに聞かれ 私は数年前失った友人を思い出した
その悲報を聞いた時 どうしようもないやるせなさと 悲しさで、彼を無責任だと責めた 応えるひとは誰もなく そのまま一晩泣いた
やがて悲しさは風化され、記憶も埋められた
でもさっき彼を思い出した
彼の笑顔や不機嫌そうな顔 彼と交わした会話 そんなものが 自分の内から次々と湧き 目と胸の奥が熱くなった
あぁそうかと思った
彼はまだ死んでなかったのだ
彼はまだ私の中に、 彼を知る 彼を覚えている 彼を懐かしむ人々の中に生きている
人の死は その人を懐かしむ人が誰もいなくなった時に 訪れるものだとようやく 言葉でなく 感覚で知った
『ひとが死んだらどこに行くの?』
きっと君の中に還るのだと もう少し大きくなったら 君に教えよう
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