Mother (介護日記)
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2003年05月07日(水) 形見の指輪

母が左の薬指にしていた金銀の2つの指輪について、私はなかなか諦めることができずにいた。

カマボコ型のプレーンな指輪は、邪魔にならないので、
いつも肌身離さず付けていられるものであったから、形見としては最適だっただろう。

病院で着替えさせる前に、私はなぜ気付かなかったのか?
病院側も“金属”なのだから、気付いてくれたら良かったのに・・・
火葬の前に、担当者に言っておけば見つかったかも知れない・・・
でも、義母は『ダイヤでもなければ溶けてしまって残らない』と言っていたし・・・ 
まさか、生きているうちに「それを私に頂戴」とも言えるはずもなかったし・・・

葬儀の後、あれこれ考えて、何日も悔やまれた。



『そうだ、アメジストがある!』

一昨年の秋に母のアパートを引き払った時、ほとんどのものを処分し、
持って来たのはわずかな衣類と雑貨だけだった。

その母の荷物の中からいくつかのアクセサリーが出て来た。

お友達から戴いたり、旅行先で買ったりの気軽なイミテーションばかり。

その中に紫の大きめの石のついた指輪があった。

父が買ってくれたものだったのだろうか?

母が自分で買ったとも思えないが、父がプレゼントをするような人だったとも思えない(^_^;)

このカットは、どう見ても高価な品物とは思えないが、
昔、この指輪をつけていた母の記憶が私には財産なのだ。
立て爪なのでいつもはめていると言うわけにはいかないのが残念だが・・・

台座の裏側を古歯ブラシで磨くと、紫色が明るく透き通った。


 * * * * *


アメジストについて調べてみた。

別名、アメシスト・紫水晶。

2月の誕生石だが、母は1月なのでそう言う選択ではなかったようだ。

『誠実と平和を象徴する石』 など諸説あるのだが 『酒に酔わないお守り』 とは・・・(^_^;)


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