Mother (介護日記)
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例えば私の体調が悪い時。 一人暮らしの人には叱られそうだけど。
母とふたりきりではどうにもならない。
「熱があるから寝る」と言ったところで アイスノンや冷たいタオルを持って来てくれるとか 適当な時間には窓を閉めてくれるとか、飲み物を用意してくれるとか いくら私の母親だからと言っても、今では気が付くだけのチカラはないし 自主的に家事を手伝ってくれるわけではない。 ましてや、転んでケガをしては元も子もないので ゴミ出しや洗濯物の取り込みなどをしてもらうワケにもいかない。
寝ていたくてもいつ誰が突然やってくるかも知れず 「夕方だから洗濯物を取り込まなくっちゃ」とか 「お風呂を沸かさなくちゃ」「お米を研がなくちゃ」とかが気に掛かり 母がボ〜ッと過ごすのは良くないから「何かをさせなくては」とか 食事を用意してあげなくては、と気の休む暇がない。 おなかが空いたら自分で用意する・・・それさえ今の母にはできない。
仮に母が自分で行動していた場合には、その物音に聞き耳を立てて 「トースターにパンを入れたまま忘れるんじゃないだろうか」とか 「火を使わないだろうか」などと注意している。
セキが出始めても止めるすべを知らずに、延々と咳き込んでいる。 その「エホエホ」という快適ではない音が継続する中で、私はウトウトしている。
集金等、誰が来ても、母が出てくれるわけではない。 私が布団の中から力なく何かを言ったところで、耳の遠い母には聞こえるはずもない。
帰宅した絹江にすぐさま指示を出し、洗濯物を入れさせる。 文句を言いながらも、やってはくれる。
家族は、他所とは比べようもないくらい娘もダンナも動いてくれるけど 「おなかが空いたから何かを自分で作って食べる」といったレベルで 私は寝ていながらも「薬は持って行ってくれたか?」とか 「キチンと飲んだかどうかを確認したか?」とか、気になって仕方がない。
家族に対する不満を言いたくなった時 「いいじゃない、自分のことだけでもやってくれるのなら。うちなんか・・・」 という声が聞こえてきそうで これ以上家族に望んではいけないような気持ちになってしまう。
家は、家族にとって外でのストレスを抱えて帰り、癒されたい場所である。 そこで、家にいる者に気を使えというのも、申し訳ないような気がする。 まだ中学生の子供に負担を掛けるのは良くない、と言った人もいた。 だから何も言えなくなるし、寝ていられずに起きてくる。
例え自分で動かないにしても、指示を出す必要があるのだ。
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