| 2006年03月11日(土):亀裂 |
彼の気持ちが。 静かに、離れていこうとしてる。
コーヒーが、彼の言うことをちっとも聞かないから。 彼のことを、ぜんぜん考えないで、勝手に頭の中でなんでも進めていってしまうから。
コーヒーが、彼に自分の思っていることをなにも言わないから。 結論を求めるばかりで、話し合おうとしないから。
まだ、完全に切れてしまったわけじゃない。 でも、なんかもう、だめな気もする。 恋愛はいつだって、追いかければ逃げていくもの。 煙草のときもそうだった。 このまま静かに、時が過ぎるのを待つしかないのかもしれない。 でも、それができなくて、次はいつ逢えるのかと、彼を問い詰めてしまう。 とにかく不安で、パニックで、独りになると泣き出す。
でも、こんなとき、誰も相談できる人がいないのに気がついた。 「もっと友達を大事にしなきゃダメだ」 彼はそう言った。 ……ああ、友達と呼べる人が、コーヒーのまわりにどれほどいたっけ? 友達と思っているのは、コーヒーだけかもしれない。 そう思うと、コーヒーは、今とんでもなく独りなんだということになるね。 また涙が出てくるよ。
仕事が始まってからずっとできないままでいた部屋の掃除を始めた。 掃除をずっと続けているといいことがあると、彼がそう言っていたから。 コーヒーはAなこともあって、元来掃除が苦手で仕方がない。 現に、今も掃除をすればするほど部屋がどんどん汚くなっていき、途方にくれている。 今夜寝る場所を確保できるかどうかも怪しい状態になってきて、それでも泣きながら掃除を続ける。 掃除をしたところで、彼の気持ちが戻ってくるわけではないけれど。 いまはただ、お部屋の掃除をするしかないから。 こころに穴が開いたまま。 |
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