一昨日の紅葉のことを書いて小説家藤原周平のことを思い出した。同氏が死去したのは1977年1月であった。日々の映像の書き始めた頃、藤原氏の解説を何点か読む。同氏は雑木山が好きであったのだ。雑木山の四季と人生を重ね合わせていたのだ。雑木山は冬になると丸裸になるように、人も死を迎える時は、一切の虚飾が剥ぎ取られるとの視点を持っていたのだ。
藤原周平の作品は少年藩士が成長していく姿を描いた「蝉しぐれ」に代表されるように、庶民が主人公の作品が多い。これらの解説を読んで次の短歌を作る。
・冬の木々 総ての虚飾を 剥ぎ取られ 追って迎えん 覚悟はいかに
・逆境に さらされながらも 誇りもち 耐え抜く庶民を 顕わし残さん
(短歌は1997年1月28日の日々の映像から)
|