新幹線で駅を寝飛ばすと致命的。 危うく盛岡で途方にくれるところでした。 rikuですけども?
先日は結婚式の2次会に出席するために上京したわけだ。 とりあえず私は結婚式に出席したことはあるが 2次会というものは未知の世界である。 riku的な「結婚式の2次会」のイメージは 親しい友人だけでワイワイ騒ぎながら祝う。 というものであったので
「フォーマルなrikuに期待していますよ」
という言葉に 普段着で望むつもりだった私は少し動揺。
しかしスーツを着て新幹線に乗り東京まで行くのは なにやらとても窮屈な感じがする。 なんせ私といえば サラリーマンでありながら スーツを着るなど年に数えるほどである。 できればもう少しラフな格好が良い。
かと言って 会場にて一人浮いてしまうのは シャイな私としては避けたいところであるので
「ジャケットの1枚でも買ってきたら?」
というアドバイスを元に 朝イチで買い物に出かけた。 幾分フォーマルなカンジの服がある店をみつけ ふらふらと店内を見て回る私に
「なにかお探しですか?」
と話し掛けてきた店員さんは 笑顔のとてもかわいい女性。 吉川さんという(チェック済)
私は吉川さんに 「フォーマルでありながらラクな服をくださいな」 と申し出た。
ここで吉川さんの目が「キラン」と光ったので わずかにいやな予感がしながらも 「ではこちらなどどうでしょう。」 という吉川さんの案内に従って 店内へと入ってゆく。
10分後。 私はなぜかスーツを試着していた。
**スーツはイヤなので他の服を**
という当初の目的をすでに逸脱。 どこでどう間違ったか分からないが 「むむ。これは由々しき事態ですよ?」 と鏡を見ながら呟く。
「どんな感じでしょう?」 という吉川さんの言葉に 試着室のカーテンを「シャッ」と開け なんとか事態の打開を図るため口を開きかけると
「わぁ!似合ってますよ!かっこいいです!」
吉川さんの言葉に
「そうですか?えへへ。」
ああ。ダメだ。 眩しすぎるよ吉川さん。 そんな笑顔で見つめないで。
なぜこんなことになってしまったのか この先私はどうすれば良いのでしょう。 と思い悩んでいると
「このカジュアルスーツは普通のスーツとは違って 細いネクタイで決めるんですよーうふふ。」
という吉川さんの笑顔。 この時点で私はネクタイをも購入する事を覚悟した。 しかし私が「拒否のできない意思の弱い男」 であるとは思わないで欲しい。
「ネクタイなんぞ細くても太くても変わりないです」
という本音をあの吉川さんに言って聞かせることのできる男など この世にはありはしないのだ。 諦め、いや、悟りの境地に達した私は
「ではネクタイを選んでくださいな」
と、吉川さんの提案を全面的に受け入れる意向を表明。 すると2分後、私の目の前のテーブルには ネクタイ。に加えてYシャツまでもが置かれていた。
恐るべし吉川嬢。 キミは手加減を知らない女。
「このネクタイにはやっぱりこういう感じのシャツが合うと思います。
うふふふ。」
私はもうなんだか段々どうでもよくなり
「じゃあ、それくださいな。うふふ」
と吉川さんと微笑み合う。 私の手には負えない女性だ。 ここは早々に立ち去るに限る。
早いところ会計を済まそうと振り向いたところへ
「あ。靴はどんな靴をお持ちになってますか?」
という質問。 もう帰る気満々で油断していた私は
「歩きにくい革靴を一足所有しておりますよ」
と言ってしまってから あ。しまった。と後悔したが時すでに遅し。
「ではこれなんてどうでしょう!」
と息を吹き返したように靴を並べだす吉川さん。 2万とか3万とかの値札が足元に並べられる。 キミは手加減を知らないどころか常に全力投球。 しかも至近距離から。
もうこうなったらいくところまでいってあげます。 と覚悟を決めた私は 吉川さんおすすめの革靴を試着。
ながっ。
無意味に長いつま先。 案の定、この靴で渋谷を歩いた際 階段を昇る度につまづき 人ごみを歩く度に前の人を蹴飛ばした。 なかなか間合いが掴めない靴。
「わぁ。ステキです。ピッタリですよ!」
という言葉に これで歩きにくい靴がもう一足増えるな。 と内心で思いながら
「ではこれくださいな」
と軽快な商談でもって購入。
結局、この後店を出たのは 入店してから3時間も過ぎようという頃。 最終的にはベルトから靴下まで 全身一式を吉川さんにプロデュースされていた。 私は完全に吉川さん色に染まったと言える。
「なぜこんなことになったのでしょう?」
と首を傾げる私に
「ありがとうございましたぁ!またいらしてくださいね!」
とホクホク顔で元気に笑いかける吉川さん。 アナタはステキすぎる。 だからもう2度と来ません。
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