ここんとこの円高のおかげで薔薇が安いのはありがたい
2004年05月09日(日) |
ぐぐっとしたのは着物のせいではあるまいて |
生憎の天気ではあったのだが、 予定通り海老蔵襲名に敬意を表し着物を着て、勧進帳を観に行った。 着物も着付けもM邸にて。先代の内儀さんのものだとか。 黒地に白楓。とてつもなく粋。着る人が人だからつい、桜を見せたくなる。 しまさんも着物をきるあたくしにあわせて下さって、黒のシックなスーツ。 「口を開かなければ・・・」とホメ言葉を頂く。
席は一階の一等席。 下手側ではあるけれど、初めて花道を見ることができた。
さて 勧進帳。 長唄も聴いているし、この間M邸でDVDで観ていた。
話の筋を簡単に云うと、
頼朝と義経が不和になり、身が危なくなった義経は、弁慶他家臣らと山伏に化けて京を抜け出し、陸奥の藤原を頼り旅に出た。頼朝は、様々な所へ関を設け、(義経たちが化けた)山伏は通さないよう触れを出した。安宅の関守の冨樫は、一旦は一行を見破りつつも、最後まで冨樫たちを欺かんがため、義経を金剛杖で叩き命を張ってまでも落ちぶれた主人を助けようとする弁慶に心を打たれ、欺かれた振りをして関を通し、その後疑って申し訳なかったと詫びの宴を催し、一行を見送る。弁慶も冨樫に見破られ且つ見逃されたことに気がつき深く感謝をして、陸奥へ旅立った。
とまぁ、そんな感じ。
團十郎の弁慶と海老蔵の冨樫(関守)の、 台詞には出てこない心情や思いが目や動作で伝わり、 想像以上にぐぐっときて、思わず涙が出そうになった。 海老蔵はもちろん新之助の時代も含め、今回初めてこの役者をみたのだが、 台詞が時々不安定に感じたのはさておいて、 居るだけでひき付けられる感じがした。 目が海老蔵にいってしまう。さすが。
他今日は、菊之助が可憐で可愛かったのが収穫。気に入りの役者になりそう。 この人のお姉さんも結構好きなので、ま、当然か。
着物はあまり窮屈ではなく、強いて云えば草履に慣れれば といったところ。 長い間座っても腰が痛くならなかった。
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