天下無敵な過ごし方
ああ、今日も今日だねぇ。
ここんとこの円高のおかげで薔薇が安いのはありがたい
2003年01月15日(水) 成人式

あたくしたちの世代は、何と云ってもこの日が成人式で、
てっきり この日に“鏡割り”をしなくては!!と
今日の今日まで勘違いしていたのだが、
実は、それは11日にしなくてはいけなかったらしい。
でもまぁ、11日には キムチチゲに餅入れて食べたからいっか。
(あ、それは12日かもしれない)

さて、その成人式。
今年のその日は、着物姿の新成人を一人しか見かけなかった。
(夕刻、M邸へ夕飯をゴチになりに行くまで、家に居たからだが)
何となく、一月の第二月曜日と云われても、ピンと来ないのはしょうがない。
ちなみに、あたくしは成人式に出席していない。
その頃、こっちに住民票を移していたし、田舎の成人式も小学校の同級生ぐらいしか知らないし、親交はなかったから。
振り袖を作ってくれると云う 両親の心遣いも 辞退した。
両親(と云うより、みちえさん。大魔人はムスメの年なぞ知らないヒトだから)は 姉が振り袖を作ったから あなたも とかなんとか云っていたが、
普段というより、その後何回も着ない物に大枚叩いて作りたくはない!それなら、大島の一枚でもくりゃれ!!と 反抗した。この頃、まだまだ反抗期。
ならば、せめて姉の振り袖を着て写真を!と しつこく食い下がり、それも却下しようとしたら、「お年玉あげない」とまで云い出すものだから、目先のぽち袋に目が暗んで、仕方なく着ることに。
着付け&メイク&髪結い(と云ってもその頃は ばりばりのショートヘアー)に連れていかれ、そこでメイク&セットを担当してくれたおばちゃんと好みのコトで言い争い、準備が完了する頃には、すっかり不機嫌極まりなくなっていた。それこそ、大魔人DNA炸裂ってな具合。

そのまま、写真屋へ連行される。
が、そこで大人しく写真を撮られたりなんぞしたら、あたくしの名が廃る。(否、廃る名ぞ無い)
カメラマンのおじさんへ、
「あたし、普通に大人しく、しゃなりの写真なんかいらない。どうせだったら、この振り袖 ぶんぶん振ってる写真が撮りたんです」と 無理を承知で云うと、
すんなり「それも面白そうですね。好きなように 動いて下さい。適当に撮りますから」なんて、大層気の利いたことを云ってくれた。

情けないような泣きたいような顔をしたみちえさんの傍で、
ぶんぶん袖を振り回し、大口を開けて笑っている写真を撮ってもらった。

その後は、大人しく 家族の集合写真も撮らせてあげた。

家に帰り、着物を脱ぎ捨てると、その着物を打ち掛けに仕立てて、
大奥ごっこだのなんだのをして 独り遊びをしていたら、
姉に泣かれた。

でも。未だに云うが、ヒトに因っては顔かたちが似ていると云われるが、
あたくしと姉は、似合うものが 真っ向から違う。
そんな姉用に仕立てた着物が あたくしにお世辞でも似合うとは思えない。
それを着て、終世残る(否、残らない)写真を撮らせた みちえさんも無慈悲なお方だ。


さてさて、上記は成人式の該当する年の正月のことだったのだが、
当の成人式の日は、以前日記にも書いたのだが、この時既に一番の古い友達だった T と 浅草へ行った。
まだ、東京へ来てから浅草へ行ったことが無く、何となくこの日に行きたかったから 誘ったのだ。
浅草寺でお参りをして、仲見世を冷やかして、目星をつけていた手拭屋を探しあて、二、三本気に入った手拭いを買い求め、Tのおごりで天麩羅丼を食べ、日のあるうちに家に帰った。帰ってから、一人その頃行きつけていた あたくしを大人にしてくれた(って書くと妖しい 笑)店で 飲んでると、店のマスターや、お馴染みさんが祝ってくれた。その時、バイトをしていた店の店長やバイト仲間も店を閉めてから 来てくれて、花束を貰った記憶がある。

何がどう 成人したのかは 未だに判らないけど、
あの時、(姉と一緒に暮してはいたし、親から独立もしていなかったが)大人として、普段自分の廻りにいる人たちが祝ってくれたことが嬉しかったのは、今でも 覚えている。
当時の写真を見ても、嬉しそうに笑っている ハタチのあたくしがそこにいる。


有り体に云えば、今年で干支を一巡してしまったのだが、
それでも 成人としては半人前だと 日々感じて生活している。

ただ、それでも年々 自分を生きているのが面白く、
その奥が深い“大人”らしいってことに 興味がつかない。
子供の頃に思っていた「大人ってつまらない」と感じていたのが嘘のよう。

そう思えるのも、廻りのヒトや環境のお陰なのだが、
そういう心持ちでいるあたくしにも ◎。

と、きちんと自分を誉めてあげて、
ちゃんちゃん。




そう云えば、この日 うちの田舎では どんど焼きをして、
(お飾りや絵馬・お札・達磨を燃やす行事)
その時に 書き初めを燃やして その灰が高く上がったら字が上手くなるなんて云われたのだが、
確かに 高く上がった あたくしの“少年大志”の書き初め。
でも、字が上手くならず、相変わらず酔ってるだのダンスしてるだの云われる字を書いているのは どう云う訳なのでしょう?>神様



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