ここんとこの円高のおかげで薔薇が安いのはありがたい
出会った本。
今まで そういう本に 何回かあった。
20代前半の頃、 学校の課題で「自分を描け」というものがあった。 自画像でというものではなく、 心象や好きなものや その他何でも。 で、あたくしが描いたのが、「砂漠の魚」だった。 但し、HPで公開しているのは 2度目に描いたもの。 どうしてか、その絵が ずーっとつきまとっている。 自然と物語りが 頭の中に出来上がって、 それを外に 頭の外に、口頭ではなく 目で見えるものに しようと思って 10年近くなる。 何度か コトバにした事があったのだが、 しっくりこなかった。 自分が 物語を創造する者ではなく、 且つ、コトバで語るものだからなのか。
この間、会社を早々と引き上げてまでも読んだ本は、 今まで しっくりこなかったことが 詰まっていたものが 溶け出して流れたように、 パズルのピースが ぴったりとハマった感じになった。 読んだ後は 良い酒を飲んだごとく いい気分になった。
主人公が 主人公が見ている風景や感じている匂いや 何もかもが リアルに感じられたのだ。
そして 砂漠に魚がいる訳が あの絵が あたしにとっては ちっともおかしくない訳が その本によって あたしに証明された。
無理に文字に出さなくてよかった。 心から そう思った。
いつか 本当の砂漠を見に行こう。
件の本は 角川文庫・パウロ・コエーリョ「アルケミスト」
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