気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
そういうつもりなく、軽い気持ちだったのだけど......。 どこをどう歩いても森の中には変わらない上に森のどの位置なのかもわからない。ルイが飛んで上空から見ても、木々は全方向どこまでも続いていたいた。 「あっちの方向に何かあるかも。少し開けている場所があるわ」 ただし、その周りも木で囲まれている。ただ単に、木がないだけなのかもしれない。三人はそれでもそこへ向かった。 「何をしている?」 しばらく歩いているとそんな声が聞こえた。 「誰だ?」 バルクが答えた。危険なものではなさそうだ、とアニムはバルクを見て思う。そこに現れたのは軽装の少年だった。十四、五の少年で身長もアニムと変わらない。どう見ても森を歩くような恰好ではなく、髪も長く束ねていた。 「この森に住まうドラゴンだ。もしかして、君たちはさっきまで上空にいなかったか? ものすごく大きな仲間がいたような気がしたんだが?」 「ドラゴン!?」 三人が口を揃えた。 「ドラゴンと言うのは、山に住むものではないのか?」 「たまに、森に住みたい変わり者もいる」 「そうなの」 「この姿だって好きでしている。人間というのはこうような姿なのだろ?」 「確かに人間だが、なんで子どもの姿なんだ?」 「子ども? そうか、それで村の者と姿が違うのか。しかし、我と同じような姿の、君がいるではないか? 君も子どもか?」 アニムを見て、少年のドラゴンは言った。
草うららか
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