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気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
社長出勤です。でも、帰りは社長ではありません。 デルマンの村は、小さくひっそりとしていた。宿がなく泊まるところもなかった。ブロードは村の人に尋ねて泊まれる場所がないかと聞いたら、空き家があるからそこに泊まるといい、と言われて行った場所が、埃が積もった家だった。家具はベッドと椅子だけしかなかった。ベッドはマットしかなくその上に厚く埃がかぶっている。ブロードはため息をついた。 「そんなため息をつかないで」 誰かが言った。 「君は?」 「私? 私はエステル。お掃除のお手伝いに来たの」 「そ、ありがとう」 「そ、ありがとうって、そっけないわね」 「知らない人にはね」 「私の名前、言える?」 「エステル?」 「知ってるじゃない」 ブロードはまたため息をついた。
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