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気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
今日はもう、ノーコメントで! だが、今のバルクを知る者がそれを聞いても疑って掛かる。 「ウソでしょ?」 「冗談だろ?」 と。その話が出るとアニムとルイの反応はいつもこうだった。 「まあ、しょうがないか。でもいいな、私も教官なんかやってなきゃ旅に出てるわ」 「出りゃいいじゃねーか?」 「かわいい生徒を置いて旅に出れないよ」 ヴェックスは目を細めて言う。 「つーか、なんでまたメイド学校の教官なんかやってんだ?」 「それがね......」 五年ほど前、ヴェックスはふらりとコンファイアへ遊びに行った。特に用事も目的もなく、ただただ船に乗りたいという理由だった。 港に着いて風吹くままに歩いていたらメイド協会の前だった。 「よく遭難しなかったな」 「こういう運は先祖代々いいでしょ? それでたまたま強盗集団に襲われていた協会を助けたわけ」 「結構ベタだな」 「なんていうか、一人で強盗集団を退治する辺りがすごいというか、バルクの家系かな」 「さすがと言うか、めちゃくちゃもいいところだ」 ルイとアニム、あきれながら言う。 「なんか、酷い言われようだけど。兄さん、本当は悪い事してるんじゃないの?」 「してねーよ、多分」 「それで、メイドたちに護身術を教えてくれって。あと、メイド協会の護衛役も」 「じゃあ、今離れたら、メイド協会は隙だらけじゃない?」 「大丈夫、手は打ってるし、多分何事もない」 「心配ねーな」 ヴェックスもバルクもどこからくるのか分からない自信があった。 「まったく、ビアソーイダ王族というものは......」 アニムは更にあきれるが、反面羨ましくも思う。
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