気まぐれ日記
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2006年10月19日(木) 昨日の朝は

 息が白かった。

 今夜は今シーズン初、ストーブを焚きました。
 とうとう、そんな季節だわ。



 「記憶を盗まれた?」
 誰かが聞き返した。黒い髪、黒い瞳の少女だった。
 「そんなことが出来るんですか?」
 と、リュー。
 「なんだって、そんな......」
 レイムが頭をかきむしる。そして俺を見る。その眼は、何か迷っているようでもあったがやがてその迷いが消えた。
 「やっぱり、お前を連れて行くべきか」
 「連れて行ってくれるか?」
 うれしかった。病院にいても何も分からない。レイムが俺を知っていたからこそ、道ができてリースリーズが針を盗んで記憶の糸口が見つかった。
 「ああ、仕方がない。記憶がないお前を連れて行くのは心もとないが......」
 「待て」
 レイムの言葉を遮ったのはウォルティアだった。
 「なら、私も一緒に。いいですね、院長。ついでに時計の針もとりかえそう」
 彼女が来てくれる名が、心強かった。レイムが軽くため息をついた。
 「もう、考えるのが面倒だ」
 そして、笑った。
 「みんなで、リースリーズから盗まれたものを取り返そう」
 その笑顔はいたずらっぽく、どこかで見覚えがあった。
  


草うららか |MAIL

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