気まぐれ日記
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2006年08月19日(土) ん? 違うの?

 辞めるのでなく、休みを取っただけらしい。さらに、それも代役で済ませたよう。それにしても、人騒がせな。
 いや、でも数日来て即辞める人、多い。根性ねぇな、と思う前に、それが正しいよ、と思わざるを得ない。こんなとこいてもどうしようもない、とか。給料だけがとりえだから、長く勤めるのには向かないところだと。ちゃんとした就職するのであればここじゃダメだわ。



 「まずは食事でも」
 と、ヘネシー。イーリスは何も言わずメニューを差し出した。俺は適当な料理を注文し、同時にふたりも注文した。
 「で、何をするんだ?」
 「実は、あるものを運ぶための護衛なのだが……」
 「あるもの?」
 「やましいものではない。だが、中身は秘密だ」
 怪しい。だが、ヘネシーもイーリスもまだ子供だ。俺から見れば。だが、見かけは当てにならない。数日前見たリースリーズもまた見かけは子供だった。
 「考えさせてくれ」
 「明日までに返事をもらえればいい。なるべくなら受けてもらいたいのだが」
 「……ところで、何で俺に声をかけたんだ?」
 他にもウォンテッダーはいっぱいいた。隣に座っていた男は、自分から声をかけてきた。
 「一番誠実そうなのを選んだまでだ」
 さらりとヘネシーは言う。正直驚き、照れた。
 「なら、その仕事受けるよ」
 「そう言ってくれると思った。報酬は金貨十枚とここの食事代で」
 金貨十枚……気前がいい。でも、積荷にもよる。秘密とされるとやっぱり怪しい。しばらく黙っていると料理が運ばれてきた。久しぶりに肉料理が食べられる、と俺は内心喜んでいた。黙々と食事を取る。ヘネシーは黙って食べている。イーリスは黙っているが、本当においしそうに食べている。時折こっちの子羊ステーキを見る。
 「お前たち、兄弟か何かか?」
 俺は二人に尋ねた。
 「いや」
 と、ヘネシー。イーリスは黙っている。
 「じゃあ、なんだ?」
 「恋人」
 「婚約者だな」
 「……」
 こいつらは……。でも、まあ、世の中色々だろう。
 


草うららか |MAIL

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