気まぐれ日記
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いまだ踊りの歌が覚えられない。(覚える必要もないけど)ただでもらえるうちわの裏に書かれてるんですけど……二曲あるうちの一つは特に。 ここでクイズ。踊りの歌の一節。 『♪〜水はきれいで 女もきれいだよ うちのかあちゃん まだこない〜』 お祭りなのに、母ちゃんはなんで来ないのでしょう? 答えは誰か答えたら答える。(答える人いるのか?)あ、市民や近郊の方には回答権はございません。(市民で見てる人いるのか?)
間違えた! 『♪〜来たよ 来た来た みんながそろったよ うちの母さんまだ来ない』 だった。あれ? 『来ました』だっけ? ニュアンスは合ってる。
そのガキが黙った。そのまま俺たちから離れる。 「ちょっと! 一言でも謝んなさいよ!」 「いいよ」 まだカリカリしているイザリアを制する。イザリアも怒りをぶつけるところがなくなったためか、すぐに収まった。そして、じっと俺を見つめた。 「レイム君っていくつ?」 「二十五」 「そんなに大人だったんだ」 「なんだよ」 「あんなこと言われたのに、怒らないなんて大人だなって思ったの」 「大人だから怒らない、子供だから怒るってわけじゃないよ。怒る対象じゃなかっただけだ」 ウォンテッダーは人により誤解されやすい職業だと思う。 「それより、本当は学校通いたいんじゃないか?」 「うん。でもね、あの髪飾りも取り返したいの。あれにはお母さんの思い出があるんだもの」 「そっか」 俺は少し彼女に感謝している。初めて、賞金首以外の目的を持てたんだから。
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