気まぐれ日記
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2006年07月21日(金) |
どうして、こんなに眠いの? |
懐かしのあの名曲。(でも、ほんと変な歌だよなアレ。なんでみんな心痛めなきゃならないんだ? 睡眠不足で?) 別に不足はしていないんですが、眠いです。
そのウォンテッダーが目覚めたのは夜中だった。急にがばっと起き上がってあたりを見回す。ごく普通の行動だった。 「おはようございます」 と、言うのも変かな? と思いつつ声を掛けた。 「? お、おはよう?」 やっぱりまだ、頭がおぼつかないみたい。 「覚えてますか? あなたは、お店の前で倒れたんですよ」 「そうか。なんか急に目の前が真っ暗になって……貧血か? いやでも、この間レバーステーキ食ったしな……」 「あなた、妖精憑きにあったんです」 「妖精憑き?」 やっぱり、知らないよね。この地域特有だし、妖精憑きなんていうのは滅多にあることじゃない。 「ええ、妖精に魅入られてあなたの身体に入ったんです。妖精が身体に入ると不具合が生じて昏倒することがあるから……でも、最初の一時的なことです。もう大丈夫よ」 「妖精が、俺に……。憑かれるとどうなるんだ?」 「そこまではわかりません。妖精によります。でも、決して悪いことじゃないので」 「そうか、それならまあ、いいか。……って、ここは? あんたは?」 「ここは病院。私はこの病院の娘です」 「病院……。そうだよな、倒れたんならそれなりのところに運ばれるよな」 「私はイザリア。あなたは?」 「レイムだ」 レイム君ね。彼に今夜一晩はここに泊まることを勧めた。もう夜中なので宿も閉まっている。 「それは、助かるけど……俺、あんま金がないんだけど」 レイム君はまだ良心的だ。ウォンテッダーの中には「勝手に助けてなぜ金払うんだ?」と言って踏み倒す人がいる。 「大丈夫。治療費は必要ないわ。入院代は格安良心的料金よ。安宿より安いのがうちのモットーだから」 「助かるよ」 そう言って彼は笑った。それは歳相応のかわいい笑顔だった。
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