気まぐれ日記
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2006年06月17日(土) ではでは

 始めます。
 今日のこと? 別に特記することないですよ。(いや、普通の一日でした)
 あ、ゲームやったんだけど、アースドラゴンが強くて進まないんですけど。




 その後の魔は笑うばかりで話をしなかった。良介はその笑い声にさいなまれながら眠った。当然、寝た気がしない。ぼんやりと朝を迎えた。
 その日の放課後、緊急的に部活を開いた。
 「と、言うわけなんだ」
 良介は兄に言われたことと、昨夜のことを二人に話す。二人のほうが見える分何かわかるはずだ。
 「部長、すばらしいです」
 可奈がうっとりと良介を見た。
 「あたしにはよくわかんないけど」
 貴乃にはあまりわからないようである。
 「部長が憑けてしまったのは、永遠になくなることがない魔です。それも強力な魔」
 「それって、どんな魔?」
 「早く言ってしまうと、人間誰しも自分がかわいい。自分さえよければいい。自分さえ助かればいい、そんな思いからできる魔です」
 「……つまり、エゴ」
 「ええ、全世界の人類が、自分を犠牲にして他人を救わない限り消えません」
 「そりゃ、強力な魔だね。落とす方法は」
 「もったいないですよ。部長。それに、落ちません。魔の気まぐれでもない限り離れないと思ってください。大丈夫です。大きな魔ではありますが影響は少ないはずですよ」
 こうして、緊急で開いた部活は終了した。

 「驚いたぜ」
 その夜、また魔が語りかけてくる。
 「何が?」
 「あの娘、俺を見て正体を暴きやがった」
 「ああ、可奈ちゃんね」
 「あいつ、魔女か? それともホントの悪魔だったりしてな」
 「まさか。それより、なんで俺がおじいちゃんより強いってわかったの?」
 「その前に教えろよ。じいさんを勝たすことを」
 「ん。まだまだおじいちゃんに生きてもらわなきゃね」
 「ほう。なんでだ?」
 「年金があるから」
 「ははっ、おめーらの都合だな」
 「そうだよ」
 魔はそう言ってから、良介の質問に答えた。
 「まあ、お前に憑いたら、お前の力量とか大体考えていることがわかるんだよ。年金のことは冗談だろ。だからわからなかった。基本的に考えている分は多少わかる。家族思いなんだな」
 「普通だよ」
 「俺が見てきた奴らの中には子供なんざすぐに売っちまったりする親がいたぜ」
 「それより、俺から離れる気は?」
 「それなんだけどよ、無理だ」
 「無理?」
 「俺、実はよ、相当なダメージを負ってるんだ」
 「ダメージって?」
 「ああ、面倒くせー。それは、おいおい話すよ。でだ、お前がどういうわけか最適な止まり木になっちまったんだ。故にしばらくお前に憑く」
 「いいよ、別に」
 「そー来るか」
 「楽しそうだから」
 魔は黙りこくって消えた。消えたわけじゃないが。

 こうして、魔と良介の共同生活は始まったのである。



 

 これが、田中学院の始まりというか……。いや、違う。最初の交霊会のみは冒頭だったけど。そんなわけで魔は普段忘れられている存在だったりします。 


草うららか |MAIL

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