気まぐれ日記
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でもね、小説日記と称している以上、小説も書かねば。今日は何か書くよ。
ふて寝。仕事をサボってふて寝。そのためにバイトを雇ったのだから文句は言われない。私はやることはやっている。 だけど、ふと目が覚めた。 死女神である私の名前はない。同じく、私の弟にも。でも弟には、いくつか通り名があった。でも、運命神と呼ばれるだけの存在。
昔、弟とどちらをやるか競ったことがある。何の勝負か忘れた。勝ったのは弟で運命を選んだ。楽なのだ。ただ存在するだけでよいのだから。私は死神という地位になり、全ての死に目を向け、その死が不当かどうか? その魂は生まれ変われるかを見極めなければならない。幸い人間たちはバイトですむのでいい。 問題は、神や魔族などの死ぬという概念がなく、消滅するというもの。私もそれに含まれる。やっかいなのだ。いろいろ。だから、その度に起こされて処置しなけらばならない。 そんなわけで、私は普段ふて寝をし、消滅したものがでたときに起こされる。
今回起きたのは、別に意味はない。バイトたちに声を掛けると驚いた顔をされた。まあ、当たり前。弟のところに行くと、ちょうど来客がいた。 「これは美しい」 見たことない魔族だった。いや、死することないアンデッド。魂が身体に吸着し、朽ちることもない完璧なアンデッド。昔、人間で蘇生魔法を完璧に使い、生命の女神を嫉妬させ、その対象をアンデッドにした……彼が、それだろう。人間だったにしては、美形だ。弟で見慣れているせいか、好印象はもてないが。 「あなたのようなきれいな方が、魔界にいらっしゃったとは。失礼しました、私はグオンといいます」 「そう。私は死女神よ」 「シックな貴方にふさわしい役職です」 「そうでもない。姉上は寝てばっかりだ」 という、弟のツッコミを無視しグオンは更にしゃべる。 「今夜一緒に食事でもどうです?」 「ええ、構わないけど?」 「では、夜になるが楽しみです」 面白い人間がいたものだ。でも、彼との約束は果たせなかった。 「女神、消滅した魔族一名、神族一名発生しました」 たまに起きたら、これだもの。
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