気まぐれ日記
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2006年02月18日(土) ああ、情けなや

 本日は、自遊空間にて更新させていただきます。さっき一万十件目でした。どうせ、この日記は無駄な単語ばかりでアクセス量が多いので、もし前後の方いらっしゃるのであれば、よかったらメールください。いや、ホントに。何にもしてやれないけど。つーか、今自分ちのネット状況が閉鎖されているので、調べるのは来週木曜日あたりだけどね。すいません、その点について自分が悪いんだけどさ……。
 でもさ、でもさ、けいでーでーあいも悪いんだよ!(と、主張したい)



 何かの書物からちぎられたようなその紙切れをフレクアは何度も読み返す。死に至るまでのこの眠りはとある植物の花の香りによるものである、と書かれている。そして、その香りから逃れるにはまた別の花の香りが必要とされる。ただし、眠り花が咲く地域には目覚め花は咲いていないし、目覚め花が咲いている地域には眠り花は咲いていない。そして、両方ともとてもよく似た花だった。切れ端には同じような花のイラストが二つ描かれている。 その植物の名前はスヌイ草とコケイ草。どうでも良さ気な名前が憎らしく感じた。とにかく、眠った者たちを起こすにはコケイ草が必要だった。切れ端にはどこに咲いているかなどは書かれていない。
 まずは、植物に関して詳しいのは花屋だ、と思い彼女は花屋を訪ねた。しかし、ものの三十秒でそこから出る。そんな変な草など知らないと言われた。
 じゃあ、植物学者?
 もう一度、花屋に入って植物学者がいるか、または植物に詳しい人は? と尋ねる。今度は一分ほどかかった。何でも変人で町のはずれに住んでいるという。そこに行くには町を出なければならないし、今から行けば帰って来るころには門は閉まっているだろうと親切に言われた。
 彼女は病院に一度戻って、二度三度、兄とゼデューのことを頼んで、宿では部屋をチェックアウトして荷物だけを預けた。役所へ行き、オーフのことについても頼んで来た。
 そして、彼女は一人、町を出る。たいそうな変人らしいその植物学者。いまさら変人に怖気づく彼女ではない。変人ならもう二人もいる。町のはずれに聞いたとおり、確かに小屋がある。そこに学者がいるはずだ。
 「ごめんください」
 ばーん!
 ノック直後、ドアは勢いよく開いた。
 「きゃっ!」
 思わず悲鳴を上げる。
 「これは失敬!」
 彼女の想像していた人物とは異なるが、変人には変わりない。ウェーブかかった長い髪に何種もの花を飾った三十代初め頃の女性が出てきたのだ。
 「あんた、誰?」
 「わ、私、フレクアといいます。あなたに聞きたいことがあって来ました」
 「あたしに聞きたいこと? どうしよう、答えられるかな?」
 と、彼女は急に不安そうな顔をして頭を抱える。
 「それは大丈夫です。コケイ草のことで聞きたいので」
 「コケイ草?」
 「はい」
 「コケイ草って、あの?」
 「はい、目覚め草とも呼ばれるらしいのですけど」
 「どうして?」
 彼女は急に真剣な顔で尋ねてきた。なので、フレクアはそれまでの経緯を話した。
 「そう、やっぱりね」
 「やっぱりって……?」
 「町には滅多に行かないけど、ウォンテッダーたちが原因不明の眠りに陥って、そのまま死んでしまうって聞いたから」
 「じゃあ、今まで黙っていたのは?」
 「私には関係ないと思っていたわ。誰が死のうが関係ないもの」
 やっぱり変人なのだろうか? とフレクアが思う。
 「でも、こうしてあなたは原因をつかんで私を訪ねてきた。もう、関係ないと言えないわね。コケイ草、生えていそうなところ教えるわ。一緒に探してあげる。あなたの仲間とお兄さんを助けなきゃね」
 彼女はそうと決まったらと言って、準備を始める。
 「あの、えーと……」
 「ミラン=エニシュ。ミランでいいわよ」 


草うららか |MAIL

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