気まぐれ日記
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キノの旅のスペシャルブック�兇�届きました。結構どうでもいいですね、んなのは。今日はマルアニアという女の話です。でも、シトロという男が語ってます。
金持ち貴族の馬車を狙ったら、特上の女が乗っていた。その女は俺の剣をご信用のナイフではじいた。女だと、しかも貴族の女だと思い脅しつもりでの振るった剣だったから本気ではないが、それでも気の強い女だった。 「おとなしくしなよ。俺は命までとるつもりはねえ。ただ、お前さんのお宝を頂戴したいだけさ」 俺は言った。 「では、この方を帰してあげてください」 女と一緒に馬車に乗っていた中年の貴族を指して言った。 「私の宝を見せましょう。だから、この方を帰してあげてください」 「へえ、お前さんの宝ねえ」 それはなんだ、といったら、 「このドレスです。物は古いけれどそれなりの価値はあります」 「じゃあ、そのドレスと装飾品すべて今、いただこうか?」 「わかりました」 女はまず、装飾品をすべてはずす。箱にそれを収めた。そしてドレスに、首の後ろのホックに手をかけた。 「待ちなさい、マルアニア」 もう一人の男、貴族らしい中年がそれをとめた。 「やれやれ。あまりの艶やかさに目を奪われるところだった。盗賊ももう冗談はいいだろう?」 「俺はもう少し見たかったな。で、商売を始めるつもりか、おっさん」 「この辺の盗賊の若頭シトロだな。私たちの買いたい物は「見逃してもらう」だ、さて、お前は何がほしい」 「そうだな、その女だ」 「私を?」 「うん。ただ、俺も情報通なんだ。知っている。王がお前を妃にしたいと言っていることも、そこにいるおっさんもまた、お前を妻にしたいということも。どうだろう、お前が俺と結婚するといったらこの場は何も盗らずに去るが?」 「わかりました。貴方の妻になりましょう」 本気で言っているのか、この女。 「ああ、そうかい。じゃあ、お前のうちに行くからな」 「ええ」 そして、この女は言った。 「こんな面白そうなこと、逃すことないわ」 俺は笑いながら去った。中年貴族が慌てているが、女、マルアニアはにっこりと俺を見送った。
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