2005年09月18日(日) |
夢の中で覚醒 I Awake In Dreams |
これはきっと夢だ。 僕は夢の中で、懐かしい感覚に捕らわれている。 幼い頃に出会った恐怖や、熱で学校を休んだ次の日の登校の気恥ずかしさがむくむくと立ち上がり四方を囲んでいる。 今やはっきりとその頃の情景が頭の中で再生されている。 妙に現実感がある。 なぜこんなにも。 手で触れられそうなくらいで、さらには匂いさえ伝わってくるようだ。 立ち上がった懐かしさが一通り僕を包み込むと、今度は自分が現実の世界にいるのかどうかがはっきりと感じられなくなった。 どちらかというと、意識が朦朧としていて、これは夢の世界ではないだろうかと思う。
長い時が経た気がする。 何から経たのだろうか。 強いて言えば繰り返す日常が、といったところか。 遠くの方から、僕が滑稽な形相をして呼んでいる。 「せめてお前たちはいい夢を最後に」
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